lundi, janvier 04, 2010

2010年ですな[Minoru Ota]

 ずっとほったからしにしてしまったブログですが、2010年になったのを機に(恣意的なグレゴリオ歴ですので宇宙的な根拠はありませんが)、復活させようかと思った次第です。
 メンバーの庄司いずみが彼女自身のブログで大忙しになったのが、このaureliusブログの“放置”の一因ですが、彼女のみならず、他のメンバーがそれぞれに多忙を極めたのがやはり大きいですね。
 
 さて、ミュージカルのお話。
『マンマミーア』『シカゴ(来日キャスト)』『コーラスライン(来日キャスト)』『コーラスライン(劇団四季)』『グレイガーデン』。
 これが僕が昨年見たミュージカル。『マンマミーア』はロンドンで。あとはもちろん、全部、東京。
 一番よかったのはもちろん、さすが本場の『マンマミーア』でした。
 来日キャストの『コーラスライン』もとてもよかった。これは僕の大好きなミュージカルで、20代のころにLPを買い、音楽を聴きながらステージを想像、否、妄想していた。その後、映画を観たのだけれど、妄想の中のステージのほうがよかった。
 で、初めて見るステージ版コーラスライン。最高でしたね。
 それにくらべて劇団四季の『コーラスライン』は、なんと言ったらよいのか……。劇団四季ファンには悪いが、アメリカの演劇学校の生徒たちのほうがもっとよい舞台を見せてくれるのではないだろうか。
 僕は以前から、浅利慶太に不信感があって、つまり、彼はミュージカルで食ってはいるが、実はミュージカルなど好きではなく、畢竟、理解もしていないのではないかと。
 コーラスラインの日本語の歌詞は浅利慶太の作となっているが、ま、時代のせいもあるが(70年代の作である)、「Tits and ass」 を「ボインとプリン」は無いのではないか!? 苦労は認めるけど。
 それから、「all I needed is the music and the mirror, and the chance to dance」の「the chance to dance」が「チャンス、ちょ〜だ〜い〜〜」も無いだろう。
 とにかく、日本語歌詞が「これは無いだろう」の連続だった。
 そして登場人物一人一人の造形も、衣裳一つとっても「なっとらん!!」のだ。
 舞台装置が背景となる鏡以外に無く、役者の肉体、その存在感こそがひたすら重要であるこのミュージカルは、だからこそ、まさしくオーディションによってどんな役者を選ぶかにかかっているのであることは、映画化された『ブロードウェイ ブロードウェイ 〜コーラスラインにかけた夢』でも明らかだ。
 ここにやはり、“学校”と劇団が一体化した閉鎖的システムである劇団四季の限界があるのではないだろうか。
 やっぱり、オレが演出する!! 浅利君、どきたまえ。
 なんちゃって。

 太田穣

vendredi, janvier 23, 2009

宇野千代さん、ごめんなさい! [Miyuki Shoji]

 ええ、今までわたし、宇野千代なんて……と思っていたのです。
 エッセイはけっこう面白いから、明るくて、前向きで、素敵な女に間違いないのはわかっていました。でも、「小説家」といわれるのは、当時は女流作家が珍しかったせいと、若いころのハッとするような美貌と頭のよさと姉御肌な性格をもって、綺羅星のごとき著名芸術家たちと浮き名を流したことで衆目を集めていたのが大きいのではないか、と漠然と格付けしていました。
 宇野千代とは出身地が同じなので、保守的な地元の人々のもつ、批判的な見方の影響もあったはずです。
 しかし先日、齋藤孝さんが「宇野千代は、岩国が生んだ、世界に誇るF1マシンである」とほめ倒しているのを読み、「へぇ〜『世界に誇る』とまで言う!?」とちょっとびっくり。だいたいがわたし、「もらい泣き」ならぬ「もらい感動」度が高いので、一目置く人が何かを絶賛していると、弱いんですよねぇ。
 てなところに図書館で代表作、『おはん』をみかけて、「一冊くらいマジメに読んでみるか」と思って本を開いたら、もういけません。薄っぺらい本を一気に読み終えたときには、茫然としておりました。「すごい……」と素直に思えました。
 宇野さん、今までばかにしていてごめんなさい。


 主人公の男は、芸妓のおかよとねんごろになり、それまでつつがなく暮らしていた女房のおはんと別れる。おはんは、お腹に子どもがいたのに黙って身を引くような、大人しい女だった。
 おかよに食わせてもらいながら小商いの気楽な生活を送っていた男は、7年ぶりにばったりおはんに出会い、心が騒ぐ。相手に悪く思われたくないような妙な気持ちになり、子どもの様子を尋ねたりして気をひくうちに再び関係ができ、おかよに隠して逢い引きを重ねる男。おかよとの生活を楽しみながら、おはんにも気をもたせる。男にしてみれば、どちらも嘘ではなかった。
 顔も見たことのなかった自分の子の悟がたまたま店先に顔を出したのをきっかけに、男は、父親とは明かせないながらも、悟に何かと声をかけるようになる。悟のほうも、「おっさん、きたえ、」と男になつく。男はおかよの家を出て、おはんと悟、3人で暮らそうと決め、いよいよ引越しの日が来たが、その日の朝になってもおかよには話も切り出せていない……。

 いわゆるキャラが立っているというのか、登場人物と筋立ての流れがリアルで、嘘くさくない。そのため、読みながら気持ちを投影しやすくて、一人一人に、ついつい寄り添えてしまう。男の、自分可愛さからくるずるさや、「人としてどうよ!?」とあきれるほどの極端な意思の弱さ。おかよの、無神経さをともなうたくましさや、男好きのするシナ作り。その奥にある、人恋しさや打算。おはんの地味な女っぽさや、すれていなさ加減。あとに残る、まるで観音様のような強さと慈愛。ほんの幼い悟までも、素直さやいじらしさを、立ち居振る舞いから垣間見せてくれます。
 読み終わる頃には、「ああ〜泣かされるぅ……」と思いながら、結局、思いきり泣いてしまいました。くそぅ。

 あとがきで作者は、「生れて初めて、最初から『かういふ小説』を書かうと思ひ、組立てを考へました。」と言っていますが、「行き当りばったりの書き方」(本人による)で小説家になった宇野千代としては、ほんとうの会心作だったのでしょう(なにしろ完成までに10年もかかっているというのだ!)。
 それが見事に結集してこれほどの作品ができ上がったのだから、お千代さんの才能は確かなものであったし、男性遍歴も無駄ではなかった、能天気なだけじゃなく、マジメに恋愛してきたのだ、つまり自分の苦悩や自己嫌悪や哀切や痛恨の思いと向き合い、きちんと人間観察をしてきたのだと、得心がいったのでありました。

 おまけの「おはんバス」。岩国市を走ってまーす。


庄司みゆき

mardi, décembre 04, 2007

免疫力強化作戦 [Miyuki Tsuruzono]

 さて、アウレリウスチームは全員、出払っております。
 何処へ? はて、行方は杳としてわからねど、時は師走。年末進行の時期であります。
 へたにカゼなど引くと、致命傷になりかねない。万一うまいこと「原稿、年明けでいいですよ」なんて言われたとしても、年末年始に集中してお仕事ができるわけがありません。かくして年始、お餅とお酒でむくんだ身体をかかえてはっと我に返る、そして、年末進行の修羅場が再現される、というのが関の山。

 そんなわけで、我が免疫力研究会は11月よりこちら、世の執筆者の健康に寄与すべく、湯たんぽを議題にすえて日夜、臨床に明け暮れております。
 そこで発見された新事実。満を持して、当会の本年のしめくくりに発表したいと思います。

 まず、当会所蔵のラインナップをご紹介しよう。

 平素わたしが愛用している陶器の湯たんぽ。


 最初は、普通にホームセンターで買えるプラスチック製のものを使っていたのだが、朝になっても熱いお湯をそのまま捨てるわけにもいかず洗顔に使ってみたところ、明らかにプラスチック臭い。
 そこでオルターナティヴとして陶器を探した。さくらももこのイラスト入りなのがいまひとつだが、朝のお湯はきわめて爽快な使い心地となりました。

 普通の湯たんぽです。







 次に、かつて湯たんぽジプシーだったわたしが、所有していながら活用していなかったのがゴム製のもの。


















 そろそろ本題に入ろう。
 読者の皆さんの中には、「湯たんぽのことなら何でも聞いて」という専門家もいるかもしれないが、一般的に湯たんぽといえば、寝る前にふとんを温めておくとか、就寝中に足元に置いて猫の代わりにするとかが普通でありましょう。
 わたしもそうである。いや、かつてはそうであった。
 熱々のお湯を詰めた湯たんぽを、布団の背中が当たる位置に置いておき、寝る段になれば足元にずらす。そうすると、だいたい全身があったかくなり、幸せな気分で眠れる。

 ところがこの冬、わたしは目にしてしまった。「湯たんぽをお腹に載せて寝てみたら、朝すごい色のオシッコが出ました!」というクチコミを。
 すごい色とは、かなりの茶色だという。しかもこの女性は冷え性かつふくらはぎのむくみに悩んでいたが、この「湯たんぽをお腹に」方式でむくみが一発解消、足腰まで軽く1日を過ごせるようになったという。

 誇大記事あるいはガセネタの可能性もある。しかもわたしは冷え性ではない。寒いときに冷たくなるのは手足ではなく、鼻の先。これが特異体質であるかどうかは別の臨床ケースにまわすとして、実験してみないわけにはいかない。

 結論から申し上げよう。
 「湯たんぽをお腹に」方式はスゴイ!
 あなたの人生も、変わるかもしれません!!

 わたしのオシッコの色は変わらなかった。しかし、歯ぎしりがほぼなくなってしまったのである。
 自力整体で身体をゆるめているおかげでかなりよくなってはいるものの、仕事が忙しくなったり何かでイライラしていたりすると、てきめんに来る。
 そうすると起床時すでに疲労困憊しているばかりか、口腔内に痕はつくわ、法令線は出るわで、まったくいいことなし。
 ところが、お腹に湯たんぽを載せて眠ってみた翌朝は、朝いちばん、疲れていない! 疲労困憊感が皆無! 爽やか、軽やか、スッキリ目覚めるセンセーション!
 え、普通の目覚めではって? いえいえ、歯ぎしり屋ならず、大人ならたいてい誰でもわかるはず。熟睡していないと、目を開けるとまず疲労感が襲ってくるのである。いやなもんです。

 そんなわけで、当会が推奨するのは、

・ゴム製など、柔らかい湯たんぽを使用すべし(固いものだと、お腹に載せられない)
・お湯の温度は、通常より低めがベスト(熱いと自然と身体から離してしまい、意味がない)
・お湯の量は、少なめに(満杯に入れると、ころがって身体に沿わない)

 ええと、寝相が悪い、あるいはお腹の形状により湯たんぽを載せられないなどの場合は、腹帯だとかゆるめのハラマキなどで固定するといいのではないでしょうか。
 丸まって寝る人は、お腹に湯たんぽを抱き込む形がよさそうです。


 ふぅ〜、まだ『ネイチャー』誌にも発表していないのにこんなに詳細に書いてしまったが、まあいいだろう。特許は申請しない。万人の幸福に寄与するというのが当会のモットーたるゆえんである。

 皆様、この冬は、このオドロキを分かち合いましょー。ぜひお試しくださいね。

水流薗みゆき

lundi, octobre 29, 2007

あの声が好き [Miyuki Tsuruzono]

 秋もぐんぐん深まって参りました。
 年末進行に向かう時期とはいえ、どうにも体調が整わず、あんまり忙しくしないように気をつけている今日この頃(関係者の皆様、すんません!!)、ひさびさにYou Tubeを開いて遊んでみました。

 懐メロ、いや古すぎる……と笑わば笑え。
 ワタクシがついついて聴いてしまう曲は、インテリゲンチャなこのブログではちょっと気が引けるものが多いのです。

 たとえば、
 『気絶するほど悩ましい』by Char
 http://www.youtube.com/watch?v=-ESToFb55WE

 先日、とっても久しぶりにカラオケに参上したとき、この曲を歌おうと思ったら、大好きだけど一度もトライしたことがないゆえ、サビ以外、全然歌えなかった。学習せねば。

 ♪うまくゆく恋なんて 恋じゃない
  うまくゆく恋なんて 恋じゃない

 阿久悠先生の歌詞もガバイが、Charの声がいい!
 切なさが展開する、明快なコード進行。すばらしい。
 奥田民生とのセッションなど別バージョンを3回も聴いたから、次回は歌えるぞ。

 次は『Historia de un Amor』by トリオ・ロス・パンチョス
 http://www.youtube.com/watch?v=Tc6eaCffMhE

 『Besame Mucho(いっぱいキスして)』は持ち歌なんだけど、こちらはまだマスターしてません。
 “愛の物語”なんていうタイトル、とてつもなく単純だけど、グッときますね。
 今やハリウッドスターになったアントニオ・バンデラスがハードゲイの役で出た『欲望の法則』というスペイン映画。愛する人(男)と情をかわして自殺する男がバンデラスなんだけど、クライマックスの場面で流れる"Lo Dudo(私は疑う)"もトリオ・ロス・パンチョスである。これがまた、泣かせるのだ!

 そして、わたしの愛するトム・ジョーンズ。
 これほど「肉声」って感じの歌い手は、なかなかいないと信じている。なにしろ「声がセクシーすぎる」っていう理由で放送禁止になったこともあるらしい。さもありなむ。

 『Sex Bomb』by Tom Jones
 http://www.youtube.com/watch?v=6KUJE2xs-RE

 聴いてみてくださいぃ……くう〜カッコイイ!!
 あっ、映画『ナインハーフ』ではジョー・コッカーが歌っていた『You Can Leave Your Hat On』の、トム・ジョーンズ版もおすすめ。『KISS』とか『恋はメキメキ』もイカシてます。決してゲテものじゃないぞ!
 古くは『思い出のグリーングラス』が有名だ(っていうか、音楽の教科書に載ってたと思う)し、芸歴が長いだけにジャニス・ジョプリンとかティナ・ターナーとか、いろんな人とのセッションも多いけど、芸術家とかアーティストとか(どちらも同じか)、そーゆー高貴な分野でなく、“ひたすら歌うだけ”ってのがいいのである。わたしの琴線に触れるのである。職人と言っていいのではないかと思う。

 そんなわけで、どうもわたしは、男性ホルモン系の声に弱いみたい。
 これは、素直に好きなのか、それとも幼少の頃から刷り込まれているジェンダー教育によるもの(つまり、わたしが女であることを否応なく認識させられてきた結果、相対する男性性を求めるものか、とかいろいろとね)なのか、いつも考えてしまうのであるが、そういった複雑系なことは、時間が余ることがあれば考えてみることにしよう。

水流薗みゆき

mercredi, octobre 03, 2007

物欲がふつふつと [Miyuki Tsuruzono]

 大気がいきなり秋の香りとなりました。皆様にはつつがなくお過ごしでしょうか。

 わたしは1週間にもわたる、海を越える国内出張をなんとか乗り越えた……と、言えるかどうか。どうも、運気が劇的に好転するはずの8月からこっち、体調がヨレヨレのままです。好転前の、いわゆる“瞑眩(めんげん)”というやつかもしれません。
 なにしろ、鍼を受ければ“は? こんなところが?”と施術者が黙するほど妙なところがカチンコチンになっているし、整体に行けば“一体どうしたの、背骨がガタガタにずれてる。それに肝臓も腫れてる。すごいストレス受けた?”と指摘される始末。ヤワです、わたし。

 その反動か、ふだんあまりない物欲がふつふつと沸き上がってきた今日この頃。とはいえお金はないので、妄想している。妄想は得意なので、とても楽しい。っていうかコレ、逃避行為よね。

 ほしいもの。車。前の車のローンも終わっていないのに、ほしい車ができました。その1、ロータリーエンジンの車。憧れる。その2、ピックアップトラック。昔から大好きである。その3(これだけ妙に具体的)、R社のカングー!
 まずい。某国産車のお仕事に身も心もささげているはずなのに、R社なんて。夫を裏切る人妻の気分よ。しかも相手はガイコク人よ。ああ、いけませんわ……(←アホ)。
 だって、四角い車の角を取ったような、素っ気ないデザインといい、小さいくせに荷物がガシガシ乗りそうなところといい、MT車もあるところといい、わたしのツボに当たりまくり。ま、妄想なので、大局に影響はありませんが。

 ほしいもの。一本歯の下駄。っていうか、もう注文して、今日届いちゃいました。あはは。
 “身体革命家”ともよぶべき甲野善紀さんの本をたまたま手にとり(カラダが一大テーマのわたしには、はずせない本でした! ちなみに『身体から革命を起こす』新潮文庫)すっかり感銘を受け、1行だけ「一本歯の下駄を履くと、いい訓練になる」と記されていたのに目が引き寄せられた。調べてみると、この天狗みたいな高下駄は、身体家のかたがたの間で今ひそかに大流行中らしい。というのは、由緒ある下駄屋さんの多くで「人気高騰により売り切れ」とあったからだ(もしかしてあまり作っていないだけかもしれないが)。
 で、四国の某下駄屋さんに発注、カラダ新ネタでは珍しく乗り気のダンナの分もあわせ、やっと届いたってわけです。

 いや〜おもしろい、楽しい、気持ちいい。
 小さい頃、竹馬で遊びませんでしたか? あんな感じ。
 バランスを取りながら、歩く。バランスをくずしながら、走る。静止するのは難しい。
 皆様にも、ぜひともおすすめします。2、3カ月すると、股関節などもやわらかくなり、武道や球技やフルート演奏や介護やらに役立つらしい。呼吸法なんかも、自然と付随してきそうだ。たぶん、文章書くにも役立つだろう(か?)。楽しみ!!
 実は、一本歯の下駄を発見するまで、1足3万円もするマサイ族の靴とかいうトレーニングシューズに注目していたのですが、下駄なら1足5千円。何とかなるお値段である。たぶん、原理的にはマサイ族も天狗も同じではないかという気がするので、かなりお得である。

 ほしいもの。前にも書いた、パソコン機能つき携帯電話。たとえば「Advanced / W-Zero3 [es]」など。
 財政的な面で悩んでいたが、月賦で買えるわけだし、◯ドバシカメラで実機を見てみたら、小さいのは小さいけど、わりとダサいのがまたいいし(スマートでカッコイイものは本能的にダメなのかも?)、本体のちっちゃいキーボードのほかにも、別に折り畳みのキーボードを購入して合わせると、パソコンなしでもじゅうぶん執筆できそうな予感があるし。いわゆるガジェット欲を刺激されてしまうワケ。しかも、通話もできる!
 これは、もしかして、そろそろ、手に入れてしまいそう。
 ああでも、もうちょっとだけ待てば、サラリーマン風シルバー、中途半端としかいえないブラウンのほかに、シャンパンゴールドとか赤とか出てくるかもしれない。それだけが心残りである。

 物欲の秋。そしてさらに、モノを超えて、魂の昇華をめざすべし。アウフへーベンだ!

水流薗みゆき

jeudi, septembre 06, 2007

「死ぬのは嫌だ、怖い。」 [Miyuki Tsuruzono]

 ずっと前、雑誌で「『煙草を吸っていると、死ぬとき苦しい』と聞いて即座に煙草をやめた」という記事を目にした。
 わたしは喫煙者ではないが、死ぬのが楽になるなら、そりゃ、やめるかもね。
 だがしかし、「ホント?」という思いが先立ったせいか、そのことは忘れていた。

 そして今年。『自力整体の真髄』(新星出版社)という本を読んでいたところ、著者が父親の死に際して、「からだをゆるめておき、断食して死に臨めば、苦しくも何ともないようだ」といった記述を発見。
 自力整体では、からだを奥からほぐして脱力をめざすのだが、それにともない、余剰物や溜まっているゴミは体外に排出される(ホント? という人も多いだろうけど、自力整体が効きはじめると、尾籠ながら、毎日毎日、すごい量の便が出るんです)。
 ということは、からだをカラッポにしていれば、死ぬとき、痛くもかゆくもないのかもしれない。

 そこで突然思い出したのが、「煙草を吸っていると、死ぬとき苦しい」という例の記事。
 そうか。煙草にはかなりの不純物が含まれている。それが体内に溜まるから、死ぬとき苦しいのかもしれない!
 死ぬときの苦しみは、他人とくらべるわけにいかないので、比較のしようもないが、そういうことかもしれない!
 何となく、納得。

 というわけで……。
 自然死は、怖るるに足らず。
 あとは、その他の死に方をしないように気をつけるだけだ!
 わはは、簡単だ!

 ってわけにもいかないでしょうけどね、なかなか……。

水流薗みゆき

jeudi, août 09, 2007

ふたたびセカンドライフ論[Minoru Ota]

 先日、久しぶりにあった友人が酒席で「ブログを読んでたら、おまえがパリに家買って引っ越したと書いてあったから、悔しくて火ぃつけてやろうかと思った」と言うのを聞いて大笑いしたのだが(はい、吉岡君、キミのことです)、そのとき、その場に居合わせた人どもにしきりにセカンドライフについて説明したのだが、どうも「オタクっぽい、気持ち悪い」という印象を拭えずに終わってしまった。
 むかしむかし、もう20年近くになるかと思うのだが、これからのデザインはマックだ、出版はみなDTPになると確信して、総額300万円のリースを組んでMacIIcxとディスプレイ、レーザープリンタ、クォークエクスプレスやPhotoshopなど一式を導入したが、誰も理解してくれなかった。「パソコンでデザインなんかできないよ」と当のデザイナーたちはほとんど関心を示さなかった。それがどうだ。今や、出版物の90%はDTP、つまりコンピュータによってデザインされ、データ化されているではないか!!
 このセカンドライフについても同じような感覚を僕は持っている。
 3D仮想空間の中に自分の分身を置くという発想はパソコン誕生期からあったし、ウィリアム・ギブソン他のSFにおいても主要なネタだし、映画のマトリックスもまたこの発想の親戚筋に当たる。メタバース(3D仮想空間のことを最近ではこういう)の発想は決して新しいものではない。
 たんにいま、通信の技術とインフラ、メタバースのアルゴリズム、そしてコンピュータの能力が、ようやくこの発想をなんとか(まだ原始的であるが)実現できるまで成長したということなのだ。
 さて、僕がセカンドライフがスゴイというのは、僕が初めてインターネットというものを知った十数年前に感じたスゴイことが増幅されてそこにあるからだ。
 十数年前、SeeYouSeeMe(綴りは間違っているかもしれない)というプログラムがあった。いまでいうヴィデオチャットだ。当時のパソコンは非力だし、通信速度も非常に遅かった。だから、モノクロの粗い画像で、動画といっても、たとえば頭を動かすと首だけが胴体から飛び上がったりと、まるで心霊写真みたいなものだった。それでも、専用サーバーに接続すると、世界中の見知らぬ人々がそこにいて、チャットを交わしていた。ただし、サーバーの能力も低かったので、一度に接続できる人数はだいたい10人前後だった。
 このSeeYouSeeMeでいまでも忘れられない瞬間がある。あるとき、北欧からアクセスしてきた男性が、今、雪が降っていると、カメラで自宅の裏庭を映して見せたのだ。ヨーロッパ的な装飾の窓枠、その向こうに広がる一面の白。そのときこう思ったのだ。僕は今、東京にいて北欧の雪を見ている。しかも、インターネット上で出会ったばかりの、みず知らぬ人間の家の窓辺から。こんなかたちでの「共時性」がありうると、過去に、いったい誰が考えただろうか、と。
 人はどんな奇蹟にでも慣れてしまえば、奇蹟とも思わなくなる。
 メタバースで人と人が会話をする、言葉を交わす、思考を交わす、リアルタイムに、共時的に!! しかもお金まで交換している!! メタバースにしか存在しない物もある。その本質は仮想/現実という2項対立の考え方をしていては見えてこない。セカンドライフを気味が悪い、オタクだとする考え方は、この仮想/現実という2項対立から逃れられないからだ。
 長くなったので、ここらへんで切り上げるが、セカンドライフに代表されるメタバースとは仮想空間という名の新たな現実空間であり、それはまったく新しいタイプの人間をもつくり出す可能性をもったフロンティアなのだと思う。
 機会があったら、メタバースの本質というものについて書いてみたいと思う。

太田穣


交通事故のパフォーマンスをしている日本の若者たち。血を流すスクリプトなどを自作している。特攻服がおもしろい。




ナンパしているのを笑いを堪えて盗み聞きしている、イヤなヤツの僕。




みんなでギター抱えて歌っている謎のパフォーマンス。こういったパフォーマンスや演劇的なものは日本人に多いみたい。なんか、やっぱり違うのだ、日本人は、セカンドライフにおいても。愛国心とかで言うんじゃないよ。カルチャーが違うんだな。




ポルトガルであった少女誘拐事件への協力を呼びかけるポスター。現実ともしっかりリンクしている。

vendredi, juillet 27, 2007

スゴい文章 [Miyuki Tsuruzono]

 いい文章、とはどんな文章だろうか。
 美しい文章。意図の伝わる文章。生気に満ちた文章。格調高い文章。個性あふれる文章。
 そこにはさまざまな要素がある。

 古今の文豪たちについて語るつもりはないが、今までに一度だけ、「これは凄い」という文章に、直接触れたことがある。

 以前、ある方を秘書的な面で手伝っていたときのこと。
 いわゆるファンレターのようなものが、割と来る。中に、2、3カ月に1度、決まって届く手紙があった。内容は、そうですね、「先生はすばらしい。私は先生に出合えて光栄だ。お会いしたときのことは忘れない」と要約されようか。
 それを、普通の白い便箋に黒いボールペンで、延々と綴ってある。毎回、10枚20枚という勢いである。それだけでもかなりのものなのに、直しの跡はなく、清書したふうでもない。なぐり書きに近いのに、書き違いはほとんどない。つまり、思いが満ちると一気呵成に書き上げ、すぐに封をして送った、という印象である。
 内容から察するに、地方に暮らしていて、たまに心のバランスを崩すと病院に入って俗世と距離を置く。”先生”には一度だけお目にかかったことがあり、その際にちらりと声をかけられた。それだけのようである。

 最初にその方の手紙を目にしたときには衝撃を受けたが、何度も何度も新しい手紙を読むたびに、さらに衝撃は強まった。
 ただごとでないのである。
 必ず同じ内容を書いてくる。それなのに、文言の勢いはまったく衰えないし、表現も毎回異なって繰り返しがない。それどころか、ありとあらゆる言葉が熱狂的に溢れ出して上記の内容を述べつづけ、手紙の空気は膨れ、広がり、爆発する。台風のように暴れ、猛火のように焼き、豪雨のように吹き荒れながら、まだ温度が下がりもしないときに、夢から覚める瞬間のように収束する。

 その暴れっぷりときたら、いわゆるフリージャズとでもいうのか、主題が始まり、各パートのソロが連なり、メインのアーティストがすばらしい展開を見せるうちに広がりすぎて収拾がつかなくなるように見えつつも、最後は全員でびしっと決めて曲が終わる、というイメージ。途中でぷつりと切れたりすることは決してなく、必ず始まりと中と終わりがある。

 彼女(手紙の主)は、何のプロでもないらしい。
 その文章を好きか嫌いかなどというのは、根本的に違っている。
 要するに彼女は天才なのだ。
 仕事もしていないようだから、(たぶん)その手紙しか書かず、自分が天才だとも知らずに暮らしているのではないだろうか。

 その「作品」を、一部なりともコピーしておけばよかったと10年以上経った今も思うが、その筆跡、その凄さは脳裏に鮮烈なままだ。

 何より紙と字が好きで、文章を書く仕事をしていても、わかりにくい箇所を平易に直したりしながら「これは、執筆ではなくて整頓作業だよなぁ」と思うたびに、その手紙を思い出す。

水流薗みゆき

lundi, juillet 23, 2007

歯ぎしり男[Hitoshi Oba]

 昨年暮れから先月まで近所の歯医者さんに通っておりました。お恥ずかしい話だがオーバは歯医者さんが怖い。それもかなり怖い。
 なら、なるたけ歯医者さんに行かないですむように歯のお手入れをきちんとすれば良さそうなものなのだけれど、なにせ雅号(?)が「億劫亭」である。寝る前におざなりに歯磨きをするだけ。それも色々な理由で機嫌がムチャクチャ悪いときや酔っ払っているときにはスルー。
 そんなわけで、具合の悪いところはドンドンと蓄積される。流石に我慢できなくなってついに歯医者さんに飛び込んだのが昨年暮れという次第。
 そこで驚いたのが、先生はオーバの歯をご覧になるなり「オーバさん、歯ぎしりがひどいでしょう」。ハァ?
 だってあれでしょ? 歯ぎしりっていったら、たとえば友達なんかと旅行に行って大酒飲んでバタンキュー(古い…)、で朝になって「夕べ、お前がギリギリガーガーいってうるさくて寝られなかったぞ」とか文句言われて、とかそんなんでしょう? そういう記憶はまるでない。
 おまけにこんなことはあまり書きたくないのだけれど、オーバはかなりな出っ歯であって、これが「オーバはかならずしもハンサムであるとは言い切れない」要因のひとつとなっているのである。意識しないで歯をカチカチやっても上の歯と下の歯が噛み合ない。ちょっと専門っぽい言葉を使うと「不正咬合」というんですけどね。そんな人間が歯ぎしりなんてする(できる)ものなのかしらん。
 それでも先生がおっしゃるには、これは昨日今日始まったなんてナマヤサしいもんじゃない、筋金入りの歯ぎしりである。だって歯の先がみんな真っ平らになってるでしょう。これまで歯医者さんに言われたことないですか。
 そういわれてみると、確かにオーバの歯の先はみんな真っ平らである。犬歯もない。なんだか草食動物みたいだなあ。ただ、ナゼカこれまで歯医者さんで歯ぎしりを指摘されたことはなかった。他の問題があまりに多過ぎて、歯ぎしりの説明にまで手が回らなかったのか? なにしろ、見る人が見れば一発でわかる「歯ぎしり歯」なんだそうだからして。
 ひとつ思い当たったのが、そういえばこれまで治療してもらったところが割と早く壊れちゃうということが何回かありました、と申し上げると、それも多分歯ぎしりが大きく与って力あるものと考えられます、とのこと。
 でも歯ぎしりがうるさいなんて言われたことはないですよ、となおも食い下がったのだけれど、先生がおっしゃるには歯ぎしりが全部ギーギーいうわけじゃないらしく、「有音性」の歯ぎしりは2割程度、残りは「無音性」なんだそうで。
 でもねえ、普段はまるで噛み合っていない歯が寝ているときだけ噛み合ってゴリゴリやっているなんて、なんだか不気味じゃないですか。
 みゆき様のように鋭敏な身体感覚などもまるで持ち合わせないせいか、目が覚めると肩がバリバリに凝っているなんて「自覚症状」もまるでなかったのだけれど。
 とにかく、せっかく治療しても前述のように歯ぎしりを放っておいてはヒジョーに宜しくない。治療が全部すんだところでマウスピースを付けることにしましょう、ということになったのでした。
 歯型を取って、それにあわせて作ったオリジナル・マイ・マウスピースである。そんなわけで現在は上の歯にマウスピースをつけて寝ております。なんでしたら「あしたのジョー」とよんでくださっても一向に構わない。
 もっとも実はオーバは「あしたのジョー」も「巨人の星」も読んだことがないのでした。マンガのお仕事もそれなりの長い時間やっていた者としては、これは少し問題かもしれませんね。ま、それについて説明しだすと長くなっちゃうので、また別の機会がありましたらその折にでも。
 で、寝てないときはマウスピースが型くずれしないように、上顎の模型(?)にかぶせて保存しているんだけれど、この上顎の模型というのが、なんだか自分の化石みたいで、見ていると妙な気分になるものですね。
 根をつめて仕事をしてるときなんかにも歯を無意識にギシギシさせたりすることがあるらしいので、できたら仕事中にも付けたほうがいいですよ、とも先生に言われているのだけれど、どー考えたってそんなに一生懸命仕事はしてないし(う〜む、また問題のあることを…)、それにやっぱり起きてるときにまでマウスピースなんて付けたくはないので、それは今のところ実行しておりません。
 ストレスも歯ぎしりを増進させるので、なるべくストレスは減らすようにしてください、ともそういえば言われたんだけれど、そんなこと言われてもねえ……。そもそもオーバの最大のストレスは「碁が異常にヘタクソだ」ということなのだけれど、どうしたらこのストレスを解消できるのか?
 ここまで書いて思い出した。今週土曜日は大事な「オヤヂ囲碁大会」なのであった。こんなことをやっている場合ではない。前にも書いたかもしれないけれど、イメージトレーニング、加持祈祷等々に励まねばならないのであった。では御免!

大場仁史 

samedi, juillet 07, 2007

アイルランドの花[Izumi Shoji]

 冬にアイルランドを旅行して、太田と私にアイルランドブームが起こったことは前にも書いた通りです。さすがに旅行から半年以上が過ぎてアイルランドの話題が出るのも少なくなってきた今日この頃。ある朝目覚めると、嬉しい出来事が……。


 ベランダに植えてあったアイルランドのワイルドフラワー。このところの温かさに誘われて、ひとつ、またひとつ……。かわいい花が咲きました。日本ではこんな花、見たことなかったな。かわいいです。今の季節に懐かしのダブリンを訪れると、道ばたにこんな花が咲いているのでしょうか。ああ……、また行きたくなりました。

 こう暑い日が続くと、あの懐かしいギネスも飲みたくなってきます。というわけで、昨日は夫(太田)と姉(みゆき)と姉の夫と一緒に渋谷のアイリッシュパブでギネスを一杯! おいしい! けど、本場のほうがもっとおいしい。あ〜、もう私の心はダブリンへ飛んでます。実際には行けはしないから、セカンドライフのダブリンで我慢するしかないか……。

庄司いずみ

jeudi, juillet 05, 2007

お仕事のやりかた [Miyuki Tsuruzono]

 なんだかメッタヤタラと忙しいなか、偉大なる西洋占星術研究家でスピリチュアル・ワールドの門番でもあるM先生に取材。

 ふっとひと息ついたときのこと。師のたまわく、
「僕、本はPCで書くけど、そのほかは全部PDAだよ。雑誌なんかの原稿はぜったいに机に座って書かない」

 え゛〜〜〜?

 わたし、原稿ってすわって書くものだと思い込んでましたー!!

 いわく、
「細かい記事を延々と書くのをパソコンでやってたら、神経やられるよ絶対」

 うっえ〜ん、その通りですぅ!

「ザウル◯とか持って、電車で立って打ち込むと、すっごいはかどる。眠くもならないしね」

 眼からウロコが落ちまくり、あわや後光が差し込もうというとき。はたと気がついて尋ねてみました。
「わたし新しいZER◯3に興味あるんですけど……」







「んっと……」


 さすがは精密機械モニタリングおたくでもあるM先生、ごそごそと何やら取り出したのは、なんと現行のZER◯3/esではありませんか。

(ブラック:現行の製品)

「これ使いやすいよ。意外と原稿書けるよ」

 そうだったのか。
 数々の小爆発(M先生の名文を、わたしはこう呼んでいる)は、「座って書かない」ところから生まれてきたのか。

 わたしも新製品の値段さえ下がれば、M先生に続くことをすばやく決定。







(シルバー:New製品/Advan○ed es)

 っていうか、わたしが知らないだけで、もう執筆家諸氏は、すでに立って書いてました??

水流薗みゆき

dimanche, juillet 01, 2007

久々のブログです[Minoru Ota]

 なんと一ヶ月もブログをさぼってしまった!!
 なんてこった!! メンバー全員がだ!!
 てことは、すなわち、みんな、すごーく忙しかったのです。
 めでたいことではありますので、免じて許してください。
 さて、この間、僕について言えば、何があったかというと、なんと、念願のパリ住まいが実現したのだ。そう、パリに土地を買い、家を建てたのだ。
 土地はおよそ100坪ほど。
 最初に建てた家は(そう、今の家は2度目に建てた家なのだ)、煉瓦造りのいかにもヨーロッパ風の古めかしい家だったが、なにしろ広すぎた。使わない部屋もあってもったいないので、取り壊し、昨日、新たに、少し小ぶりの家を新築したのだ。
 1階にはキッチンと続いたサロンとバールーム。2階には会議室がある。もちろん、アウレリウスのメンバーなどと打ち合わせをするために作った部屋だ。
 バールームにはいつも酒が豊富に用意されている。バーカウンターに座り、原稿書きで疲れた頭を癒すことができる。
 庭は広い。プールをつくるつもりでいるけれど、ご近所の目もあるので、悩んでいるところだ。というわけで、いまはただ芝生があるだけ。そのうち、塀をこしらえるつもりだ。
 家に鍵はかかっていない。だから誰でも入ることはできる。ちょっと心配だけれど、アウレリウスのメンバーや、仕事仲間には気軽に遊びに来てもらいたいので、今後も鍵をかけるつもりはない。でも、通りすがりのみず知らない人らも入ることができるわけで、僕が日本にいるときには、やはり何かと物騒だ。そのうち、入ることができる人のリストを作ることになるかもしれない。
 いずれにしても生活は快適だ。そばにエッフェル塔もあるしね。
 住所は、New Paris South だ。パリに来ることがあったら、ぜひ寄ってくれたまえ。
 Bon soir.

Minoru Ota




jeudi, mai 31, 2007

悲しみの春[Hitoshi Oba]

 またまた御無沙汰してしまい申し訳ありません。笹塚のハンカチ王子にして方南町のはにかみ王子ことオーバでございます。
 2月に「吉永小百合、都知事選出馬か!?」なんて記事を書いてしまったので、反省して謹慎しておりました、という訳でもないんですが……。田原総一朗は確かにラジオで民主党が吉永擁立を図ってる、と言ってたんだし。
 しかし4月の都知事選挙はつまらなかったですね。オーバは滅多なことでは投票になんか行かないけれどもナゼカ選挙速報は大好きという人間なので、番組開始早々「石原氏当確」ではジェンジェン楽しめなかったじゃないですか。「あ〜あ、吉永先生が出馬してたらなあ」と、しつこく思っていたことでした。

 ではナニユエに当ブログをさぼっていたかというと、それはもう数えきれないほどの事情があるのではございますが、以下に公表しても差し障りのないものだけいくつか擧げさせていただきます。

その1 ヒッキーの心の友たる文化放送「吉田照美のやる気MANMAN!」(月〜金、午後1時〜4時)が3月末で終了してしまったこと。小俣雅子さんの絶妙のボケトークがもう聞けないと思うと、心にポッカリと穴があいてしまったような感じがいつまでも拭えないのでした(←しかしライター見習代理補佐心得という分際であるとは申せ、いくらなんでも陳腐過ぎる表現ですね。う〜む、先が思いやられる)。
その2 松屋のヘルシーチキンカレーがいつの間にかメニューから消えてしまった! オーバは食べ物にはかなり無頓着な方だと思うけれども、これはかなり愛好しておりました。女優K島N美さんの血液に占めるワインくらいには、オーバの体は松屋のチキンカレーでできておったのだ…って、ちょっと大袈裟か? 
 でもこのメニューの愛好者は少なくなかったと思う。頼む、松屋様、是非是非復活キボンヌ。多少の値上げもこの際致し方ない。太っ腹なオーバは360円までは出す用意がある! 同意してくださる読者の皆様、松屋にどんどん復活希望メールを送りませう。
その3 笹塚の碁会所「碁友」が4月22日を最後に閉まってしまったこと。これはもう、悲しいなんてものではない。暇なときには碁会所でだらだら遊ぶという「正しいオヤジ道」に目覚めさてくれた、感謝しても感謝し足りない有り難いお店であった。これはまあ、どーでもいいようなことだけれども、かの大ベストセラー『東京タワー オカンとボクと、時々オトン』(実は本は読んでないんですけどね、すみません。テレビドラマから得た知識です)の主要な舞台となったマンションとも目と鼻の先という所にありました。
 しかしなんですな、笹塚の一等地で経営が難しいというのでは、碁会所界を取り巻く状況はかなり厳しいと言わざるを得ないんでしょうね。一時期『ヒカルの碁』なんかの影響で子供たちにも囲碁ブームなんて言われたこともあったけれども、少なくとも碁会所でときどき遊んでいる限りでは、そんな感じはまるっきりなかったしなあ。
 ネット碁の普及ということも関係があるのかな。ちなみにオーバはやりません。そんなものに手を出したらそれこそ、古いたとえで恐縮ですけど「猿のオ●ニ●状態」になってしまうことは目に見えているからである。
 とにかく碁友閉店の痛手から立ち直るにはどれくらい時間がかかるか見当もつかない。もしかすると一生かかるかもわからない。

 そんな悲しい悲しい春を送っていたのでした、オーバは。以て諒とせられよ。でもって、これからSIさんの喪に服さなければならぬ。では御縁がありましたら、また一年後にお目にかかりましょう。

大場仁史

mardi, mai 22, 2007

風薫る季節[Izumi Shoji]

 風薫る季節とはよく言ったものですね。ちょっと前までは、向かいのお宅のジャスミンが、風が吹くたびふわ〜っと……。代々木公園を歩けば、満開の薔薇の香りが清らかです。



 最近まで気がつかなかったのですが、代々木公園にはハーブガーデンがあるんです。今はカモミールが満開。カモミールの香りは大好き。ああ、こんなにたくさん……。夢みたいです♪




 これも何かハーブの一種らしい。蛍光むらさきの花がちょっと不思議です。





 不思議な植物を見つけました。肉厚の葉のまわりにしずくがたくさん。朝露じゃありませんよ。こうやって水分を蓄える植物なのかしら……? 触るとしっとり冷たいのです。



ピンクのお花が満開。この花を見ながらゆっくり深呼吸したら、女性性がふんわりふくらみそう。桃色をイメージしながらメディテーションをすると女性性が活性化してキレイに、女らしくなれるのですって。うむむ……。この写真をプリントアウトして部屋に貼っておかなければ……。


庄司いずみ

jeudi, mai 10, 2007

薄着の季節 [Miyuki Tsuruzono]

 7月並みの気候が続く今日この頃、お洋服に困っていませんか?
 夏っぽい格好をすれば、昼間はよくても、夕方になると急に涼しくなってくしゃみをしそうになったりと、日によっては体温調節が難しい。街ではヘンな咳をしている人もけっこういて、あっちを向いて〜と言いたくなってしまう。

 と、今日の話題はそんなことではなくて、薄着の季節のショーツのことなのであーる。
 盛夏なみの日など、もう夏そのものの服を着ている人が増えている。そこでどうしても目に入ってしまうのが、下着の線だ。
 わたしはどっちかというとブラジャーはどうでもいい(なぜかしら?)のに、人様のピチピチのスカートやパンツに、くっきりと下着が浮き出ているのが許せないのだ。
 ときには、電車で隣り合わせた女性が、ホワイトのコットンパンツの下に赤紫色のショーツを履いているその柄までわかったりして、「あーっもう、ダメダメ〜」と直接、言い渡したくなる。
 あるいは、お化粧もヘアもばっちり決まり、コーディネートもバランスよく、バッグなんかもシックな美女が、厚めの水玉パンツなどはいているのがわかった瞬間、思わず萎えてしまう。「どーしてなのっ!? あなたはそれでいいワケっ!?」という義憤にかられるのである。

 以前、「ジーンズのときは下着はつけない」と豪語する、かなりオシャレな男性がいたが、ジーンズを下着並みの頻度で洗濯する気にはとうていなれないので、わたしはずーっと昔から、表にひびかないタイプの下着を愛用しておりまする。ま、いわゆるTバックとかタンガというやつです。
 正直、ファッションにお金をかけたり凝ったりするタイプでは全然ないし、ピチピチのボディコンを着ているわけでもないので、女性からは「なんで?」と言われたりするんですが、美学ってやつですか(笑)。風の固定サインなせいか、「美しくない」と思うことは、どーしても嫌なんです。もしかしたら、わたしの中に棲むオヤジがそうさせているのかもしれないが。

 そこでだ。女性諸君、ぜひともあなたにTバックの世界を正しくお伝えすべく、下着選びの留意点を下記にリストアップしておこう。

1. いわゆるセクシー下着は選んではいけません。
 総レースとか紐パン系など、値段ばかり高くて実用性ゼロ。安いレースだと、肌触りがチクチクして、はなはだ具合がよくないことも多し。しかも、ああいうのが”セクシー”なんて、100%押しつけだと個人的には思える。

2. いちばん大事なのは伸縮性です。
 デザインが気に入るのも大事だけど、どうも下着というやつ、実用性以外のことも重視されるらしく、キツキツのデザインなのに伸びない、お股に食い込む、なんて場合がけっこうある。非常に不快なものなので、ご注意あれ。できれば店頭で、よく伸びるかどうか確認してみること(言うまでもないけど、手で引っぱってみるって意味ですので!)。

3. ゆったり履いてね。
 初めてTバックにチャレンジした人が「どうも落ち着かない」「食い込む感じがイヤ」というのは、でっかいパンツ同様、ぐいっと履くせいなのだ。ウエストあたりまで引っぱると、かなりのハイレグデザインでもなければ、当然ながら下のほうがキツくなる構造なので、皮膚呼吸の観点からいってもよろしくない。デザインの意図に合わせた位置までしか引っぱり上げないことである。

 Tバックは、皮膚にふれる面積が小さく臀部を圧迫しないので、スタイルをそこねにくいというデータもあるそうだ。20代なら何を履いても可愛いが、年齢が高くなるにつれて、そんなわけにはいかなくなる。身体を締めつけないことが肝心である。

 そんなわけで、この文章が世に出たせいで、この夏は、美しいお尻の女性が巷にあふれることであろう。いいことですね〜。あ、やっぱりオヤジか。

水流薗みゆき

mardi, mai 08, 2007

薔薇が咲きました[Izumi Shoji]

 今朝は気持ちいいお天気なので、またまた夫のジョギングにつきあって、代々木公園を一周してきました。もちろん愛しの一眼レフカメラくんも一緒です♪ 

 行ってよかった〜。薔薇がちょうど見頃、きれいです♪

 祖母の庭には薔薇が植えてあって、毎年薔薇が咲くと「バ〜ラが咲いた〜、バ〜ラが咲いた〜、真っ赤なバ〜ラ〜が〜、さ〜みしかったぼ〜くのに〜わにバ〜ラが咲〜い〜た〜」と歌ったものです。懐かしいな……。






 う〜ん、いい香り。「花の中で桜が一番好きです」と先日宣言しましたが……。薔薇も好き♪



 小さくて可憐な花も好き。要するにきれいなものは何でも好きです。きれいな娘さんなんか見るとニコニコしちゃいます(←オヤジかよ!)。




 なんの木だろうな……。ふわふわの花が咲いています。






 いい季節ですね〜。カメラ小僧にはたまらりません。でも写真の腕ばかり磨いてないでさあ仕事、仕事っと!

庄司いずみ

jeudi, avril 26, 2007

久々の晴天![Izumi Shoji]

 ずーっと曇りや雨ばかりで体にまでカビがはえそう……。気分までどんよりしていたのですが、今日の東京はひさしぶりにご機嫌なお天気でした。
 嬉しかったので、毎朝のウォーキングが習慣の夫(太田)にくっついて、代々木公園を探検。30分ほどの散策でも、かわいいお花をたくさん見つけました。
 カメラ小僧と化した私はたんぽぽをみてはパチリ♪

 ふうっ。この時はまだ朝9時頃でしたが、寝っ転がって昼寝したくなりました。ビールでもあれば最高です。おいおい、朝からビールかよ……。


 なんの花だろ。きれいです。



 締め切りがあったので、さらなる有酸素運動を頑張る夫に別れを告げ、一足お先に帰ってきましたが、家の前のアパートの植え込みからむせかえるような香りが……。

 これはジャスミン? 近づいて撮ってみたら、本当に香りにむせてしまった……。

 春です〜、ホントに春ですね。はる、っていうその響きが好きです。

庄司いずみ

セカンド・ライフ生活[Minoru Ota]

「セカンド・ライフ」生活って、全部英語にすれば「セカンド・ライフ・ライフ」なんで、ヘンですが、とにかく、我が家では娘がセカンド・ライフに夢中で、夕ご飯が済むと僕のMacProでセカンド・ライフに連れてってくれとせがむので、しかたなく(嬉しくもあるが)、セカンド・ライフの異次元へと夜な夜な旅立つのである。
 娘は家内のお下がりのiMacを使っているのだが、パワー不足で表示も動きも遅く、実用にならず、僕のMacProを頼ってすりよってくるわけだ。で、僕の部屋にはiBookもあり、これをWifiではなく、ケーブルでイーサネットにつなぐとそれなりの動きでセカンド・ライフが楽しめるので、僕はMacProで自分のアバターを操り、となりでは娘がiBookでこれまた彼女自身のアバターを操り、セカンド・ライフの世界の中で待ち合わせして、いろいろと遊ぶことができるのだ。
 洋服がデフォルトのものしかない娘が「パパ、洋服買ってくれ」とせがむので、先日は、パリで待ち合わせして洋服を買ってやった。しかも2着!!
 土地はまだ買っていないが、正式に日本版が出たら、きちんと契約などを確認して、土地を購入、アウレリウスの事務所をそこに建てるつもりだ。そこを基点に、セカンド・ライフでは何ができるのかをじっくりと見極めてみたい。
 さて、セカンド・ライフのプレミアムメンバーとなった僕は名前も改名、Minoru Sewellとあいなった。身長は180センチほどでスタイル抜群、スキンヘッド。最近はストライプのスーツを着て歩くことが多い。
 ところがだ、ある夜、娘が勝手に僕の容姿を変えてしまったのだ。それも、長髪、肥満の長洲小力そっくりに。ファッションも、「愛」という漢字Tシャツに下は半ズボンだ。ショックだった。僕は、セカンド・ライフで一番ダサイ男になってしまった。
 が、ここが仮想世界の楽しいところ。せっかくダサイ男になったのだから、このダサさのまま、オシャレなクラブに行って踊ってみようと、娘と悪ふざけの相談、そして実行。
 金ぴかに飾り立てた男女が踊るクラブに行ったところ、さっそく、みずしらぬ何者かからメッセージ。新しいオモチャをプレゼントしたいから受け取れというのだ。「OK」の返事をすると、さっそく我が在庫目録に彼からの贈り物が。すると、送り主が、すぐに体につけて遊んでみろという。なんの疑いもなしに、「サンキュー!!」なんてその贈り物を身につけたなら……なんと、それは巨大なペニスだったのだ。しかも飛行機のプロペラのように僕の股間でブルンブルン回転している。隣で見ている娘は卑猥なものを見たと言うよりは、滑稽なものを見たという様子でゲラゲラ腹を抱えて笑っている。親として僕は少しホッとしましたが、股間を両手で隠しながら立ち去る心境で、急いで飛行ボタンを押して上昇、物陰に隠れてその巨大ペニスを取り外したのでした。背後からは、僕を笑うたくさんのコメントが追いかけてくるのでありました……。
 なんて、意地悪な野郎も生息するセカンド・ライフ。ほぼ、現実と同様なことが可能な「虚数の世界」。また、機会がありましたら、ご報告いたしましょう。
 
 太田穣

▼下の写真は順に、クラブでの僕。ゴールドの縁取りの帽子がいいだろう。真ん中はビーチでなごむ僕。背後の店ではスゴイものを売っていた。一番はH&Mの店の前に立つ僕。かなりの企業がセカンド・ライフ内にスペースを確保しつつある。


dimanche, avril 15, 2007

八重桜が満開です![Izumi Shoji]

 今年はソメイヨシノも早かったけど、八重桜もすでに満開。毎年4月の終わり頃と思ったのですが、近所の駒場東大に偵察にいったらすごいことになってました。
 カメラ小僧と化してる私はどこに行くにも当然カメラ持参です。


いろんな色の八重桜が競い合うように咲いています。

















こんな嘘みたいに濃い桃色の八重桜も。はかなげな桜色のもあでやかな色のも、どちらも好きです♪






 美しい花の写真の後でなんですが昨日のお昼のカレーうどん♪ カレー南蛮蕎麦より、私は断然カレーうどん派です。










 こんなにグーッと寄ってみちゃったりして♪ うふふ、なんかプロっぽい? すこーし腕上がってません?
「カメラの腕より文章の腕をあげろーッ」という叱責の声が聞こえてきそう……。もちろんそちらも頑張ります! あと料理の腕もネ♪


庄司いずみ

jeudi, avril 12, 2007

衝動買い[Izumi Shoji]

 最近、写真に凝ってます。料理が趣味なので、おいしそうな料理ができたらパチリ。春だから花もかわいい。歩きながらパチリ。娘をパチリ……、としようとすると、顔を隠すので撮れません。写真を撮られると魂を抜かれるとでも思ってるのかしらん。
 今まではソニーのサイバーショットで撮ってたのですが、満足な仕上がりにならないと、「やっぱりいいカメラじゃないとネ」と悔しい思いをすることも(←カメラのせいではなく、腕のせいですね。ごめんよ、サイバーショットちゃん)。
 ってなわけで、衝動買いしてしまいました。ジャーン、これです!
見てみて! Nikonのデジタル一眼レフカメラ、愛しのD40ちゃん♪ 清水の舞台から飛び降りる気持ちで衝動買いしてしまいました。




 普通妻が衝動買いしそうになると、夫が止めるでしょ? でも、うちは夫婦別会計、相手のお財布の中身までは関知してないせいもあり、「○×がほしい〜」と私が叫ぶと、親切な夫はいつもすかさず調べてくれるんです、どの商品がいいかって。あ、これはデジものに限るんですけどね。で今回も「D40がいいんじゃない? 値段のわりには機能は十分だし」とたたみかけてきたものだから、つい……。(←ハイハイ、夫のせいではありません。私の物欲のせいです)
 あ、この調べグセは夫だけじゃなく私もです。夫や娘が「たまには寿司喰いてぇ」とか言い出すと、「アナタ! ダイエット中なのだからお寿司は……」と止めるのが愛情かもと思いつつ、食べ物に興味があるのですかさずリサーチ。ニコニコと送り出してしまいます。

 ま、そんなことはどうでもいいんです。今や抱いて寝たいくらいかわいいD40ちゃんで撮った、今日の桜。てっきり散りきってるものと思ったら、まだ頑張ってる子たちがいました。


















 それから今日のお昼の豆バーグ。天然酵母のパンではさんで、ハンバーガーにして食べました。












 お道具がよくなっても腕があがったわけじゃないから、まだ↓の写真とそう変わらないという噂もありますが……。練習してもっとうまく撮れるようになったら、またご報告しますね♪

庄司いずみ

mardi, avril 10, 2007

桜だより最終回[Izumi Shoji]

もう桜も見納めと、今朝は夫のウォーキングにくっついて代々木公園に行ってきました。
昨日一昨日と、夜雨が降ったせいか、やっぱりあまり残っていません。でも、まだけなげにも咲き続けてる小さな花も探せばたくさん♪ 咲き始めも花盛りもいいですが、散り際、終わり際の桜もまた風情があって素敵です。











「いずみさんは桜のような人だ」と言われた私だもの。おばあちゃんになってもこんな可憐な、散り際の桜のようでいたいものです(←ん? 今誰か「無理無理」って言いました?)





















 桜が終わってしまうかわりに、柔らかな緑が朝日に輝いています。これは紅葉。秋、真っ赤に染まる紅葉もいいですが、この時期もとてもきれい。心が洗われます。






















 代々木公園には鳥もたくさん。池のところに白鷺と青鷺発見! あー、でも私のデジカメではこれが限界……。わかりませんよね? 
 んでも、2種類の鷺を一緒に見られるなんて、春から縁起がいいではないかと夫と喜び合いました♪ 単純な夫婦です。

庄司いずみ

samedi, mars 31, 2007

騒音問題? [Miyuki Tsuruzono]

 皆さんの家のまわりって、騒音はどうですか?
 秋葉原から電車で40分ばかりのプチ田舎に移住したわたし。家の前の竹林が気に入っていたんだけど、年々開発が進み、うっそうとしていた竹林も昨年くらいから遠くの家の灯りが夜、透けて見えるようになってしまった。ショックです。
 それでも、あちらの雑木林、こちらの竹林と出張忙しいウグイスが一羽いて、今朝も早くから歌うたいに余念がない。3年ほど前にはまだおずおずと声を出していたものだけど、この頃では余裕をかまし、あれこれと装飾音符をつけたりして喉をふるわせています。
 で、何が騒音かって?
 道を揺るがすトラクターの出勤音はまだいいのです。毎日じゃないしね。
 家庭用精米器もまあ、いいとしよう。かなりうるさいけど、おいしいご飯のためだし、杵とか石臼とか揃える予定はないし。
 問題は、掃除機である(前ふりが長くてスンマセン)。

 言っておくけど、我が家の掃除機は、性能はスバラシイけど音がすごいと評判のダイソンではない。ただしちょっと大きめの、サイクロン方式のやつ。10年以上使っているが、これをかけていると、電話の呼び出し音も宅配便のピンポンも聞こえないわ、近所の野良猫が騒ぐわ、ウグイスは逃げるわということになる。そのせいで(っていうのはウソで、ホコリでは死なないので)、掃除は週1回、いえ締め切り時には1カ月に1回くらいしかしなくなってしまった。
 今までは「掃除機の音なんてフツーの現象じゃん」としか思っていなかったのだが、ウグイスが鳴きはじめると、毎年「うーむ機械たるもの如何にも五月蝿い(←急に漢字)。どうにかならないものか」と腕を組んでしまう。

 そんなある日、何気なくネット界をさまよっていたら、いるじゃないですか、「掃除機がうるさくてかなわん」という人が。解決策も明快、「箒で掃除をする」、これだけである!
 そういうチョイスがあったとは。
 だが、百均のプラスチック箒なんかでは、掃除の快感は得られないらしい。
 畳の部屋に適するのは、江戸ほうきといって、ほうきもろこしというイネ科の一年草でできた箒。黄色っぽいというか、藁色のやつですね。フローリングなら、棕櫚の鬼毛を使ったしゅろほうき(茶色くて、柔らかい毛のやつ)が、フワフワしたほこりを逃さず、いいらしい。
 草には草、木には木ってとこがまた面白いんだけど、それはさておき、懸念の騒音問題。「シュッ、シュッ」という清々しい音がするとのことで、かなり気持ちがよさそう。家人が昼寝をしてても、その脇で静かにお掃除しちゃったりして全然平気とのことである。
 それに、ガンガン掃除機をかけていて、無くしたはずのサファイアの指輪(←叶恭子サンならこんなこともちょくちょくありそう)を瞬時に吸い込んでしまい、フタを開けて大騒ぎ、なんてこととも無縁になるよね。
 そうだよねぇ。神社の中など神聖な場所は、掃除機などかけたりしないで箒ではき、水で拭き清めるもんねぇ。家だって静かに掃除したいよね……。

 なーんだ。そういうことか!!

 この世界(箒界です)も奥が深くて、昔ながらの職人さんが国産の材料で作り上げたものは、高いもので4、5万円もしたりするみたいなんだけど(こんなハイグレードのは最初から見ないに限るが)、俗にいい箒は一生に3本あれば事足りると言われているそうで(1本が20年以上も持つとか)、それを考えると高くはないのかもしれない。わたしなら、がんばって1万円までのクラスで、10年は幸せになれそうである。

 てなわけで、次なるお買い物は、江戸ほうきとしゅろほうきとはりみ(和紙に柿渋を塗った、ちりとりの原型だそうだ)になるかも。ウグイスが飛び去る前に!

水流薗みゆき

Libellés :

vendredi, mars 30, 2007

春爛漫[Izumi Shoji]

 春が一気に来ましたね♪ 毎日代々木公園でウォーキングをしている夫が、「つぼみがふくらんだ」「ほころびはじめた」「2分咲き程度」「今半分くらいかな」と、桜の開花状況を日々実況中継してくれるものだから、もう気になって気になって……。

 仕事にならないものだから(←言い訳です……)、つい先ほど、自転車を飛ばして桜の名所、目黒川まで行ってきました。行ってよかった、見事です♪ 今日が最高の見頃ではないでしょうか。

川沿いはずーっと桜。











花の中で桜が一番すきです。桜を見上げていると、夢の中にいる気がします。







そういえば、その昔、ある知り合い(女性です)に、「いずみさんは桜のような人だ」と言われたことがあります(←そうです、自慢です!)。うふふ……。あの頃は若くて可憐、ハラハラ散る桜のようにはかなげだったからかな……? それから長い年月が過ぎ去り、今の私は……。いやいや、ネガティブ志向はいけません。それ以上考えるのはやめましょう!

庄司いずみ

lundi, mars 19, 2007

ハッピー、セント・パトリック・デー♪[Izumi Shoji]

 段々春らしくなってきましたね。毎朝代々木公園をウォーキングしている夫からの情報によると、桜のつぼみもだいぶふくらみ始めたとか。週末くらいはお花見もいいかもしれませんね。

 ところで昨日の日曜日は、表参道でアイルランドのお祭り、セントパトリックデーのパレードがありました。セントパトリックさんはアイルランドにキリスト教を広めた聖人。3月17日の彼の命日はアイルランドの祝祭日で、アイルランドのシンボルカラー、緑のものを身につけて祝うのだとか。
 セントパトリックデーには、アイルランド系の移民の多いニューヨークやボストンなどの都市では盛大なパレードが行われ、日本でも92年からパレードが開催されていたそうです。近所なのに全然知らなかった!
 冬休みにダブリンに訪れて以来、アイルランドブームが続いてる夫と私は、もちろん見に行きましたとも! 娘にはフラれてしまったから夫婦で手をつないでパレード見物です(ウソでーす!)。

これがセントパトリックさん? なかなかお茶目な聖人のようですね……。
 






 いろんな団体がパレードに参加し、様々な演奏やダンスなどが繰り広げられました。レベルの高いものもたくさん!











僕もグリーン、犬もグリーン、緑色がお約束!







 帰宅後、夜はもちろんギネスで乾杯! やっぱりギネスはいいですね〜。アイリッシュパブに行きたくてたまらなくなりました……。

庄司いずみ