2010年ですな[Minoru Ota]
ずっとほったからしにしてしまったブログですが、2010年になったのを機に(恣意的なグレゴリオ歴ですので宇宙的な根拠はありませんが)、復活させようかと思った次第です。
メンバーの庄司いずみが彼女自身のブログで大忙しになったのが、このaureliusブログの“放置”の一因ですが、彼女のみならず、他のメンバーがそれぞれに多忙を極めたのがやはり大きいですね。
さて、ミュージカルのお話。
『マンマミーア』『シカゴ(来日キャスト)』『コーラスライン(来日キャスト)』『コーラスライン(劇団四季)』『グレイガーデン』。
これが僕が昨年見たミュージカル。『マンマミーア』はロンドンで。あとはもちろん、全部、東京。
一番よかったのはもちろん、さすが本場の『マンマミーア』でした。
来日キャストの『コーラスライン』もとてもよかった。これは僕の大好きなミュージカルで、20代のころにLPを買い、音楽を聴きながらステージを想像、否、妄想していた。その後、映画を観たのだけれど、妄想の中のステージのほうがよかった。
で、初めて見るステージ版コーラスライン。最高でしたね。
それにくらべて劇団四季の『コーラスライン』は、なんと言ったらよいのか……。劇団四季ファンには悪いが、アメリカの演劇学校の生徒たちのほうがもっとよい舞台を見せてくれるのではないだろうか。
僕は以前から、浅利慶太に不信感があって、つまり、彼はミュージカルで食ってはいるが、実はミュージカルなど好きではなく、畢竟、理解もしていないのではないかと。
コーラスラインの日本語の歌詞は浅利慶太の作となっているが、ま、時代のせいもあるが(70年代の作である)、「Tits and ass」 を「ボインとプリン」は無いのではないか!? 苦労は認めるけど。
それから、「all I needed is the music and the mirror, and the chance to dance」の「the chance to dance」が「チャンス、ちょ〜だ〜い〜〜」も無いだろう。
とにかく、日本語歌詞が「これは無いだろう」の連続だった。
そして登場人物一人一人の造形も、衣裳一つとっても「なっとらん!!」のだ。
舞台装置が背景となる鏡以外に無く、役者の肉体、その存在感こそがひたすら重要であるこのミュージカルは、だからこそ、まさしくオーディションによってどんな役者を選ぶかにかかっているのであることは、映画化された『ブロードウェイ ブロードウェイ 〜コーラスラインにかけた夢』でも明らかだ。
ここにやはり、“学校”と劇団が一体化した閉鎖的システムである劇団四季の限界があるのではないだろうか。
やっぱり、オレが演出する!! 浅利君、どきたまえ。
なんちゃって。
太田穣