バラバラ殺人事件[Minoru Ota]
安倍ちゃんは週末になると実家に帰ってくることもあるようだ。昨日までいなかったおまわりさんが突然、我が家のまわりを徘徊し出すのである。すると、我が町内は日本で一番安全な町に姿を変える。
ところが、安倍ちゃんが永田町の別宅で鼻をほじくっていたであろうある夜、我が家から50メートルと離れていないマンションの一室で殺人未遂事件が起きたのである。新聞によれば、被害者は30代の男性。同居していたもう一人の男性によれば、知り合いの男がやって来て、突然、銃で4発、撃ったのだそうだ。残念ながら、深夜であったため、早寝早起きの僕はその銃声を聞くこともなく、けたたましく凝集するパトカーのサイレンの音にも気づくことなく、幸福な夢を見ていたらしい。
翌日、犯人が捕まったという報道があったが、なんとこやつは事件があったマンションの9階の住人だったという。オオ、なんと。銃を隠し持っていた殺人者(正確には殺人未遂者)が至近距離に住み、おそらくは何度もすれ違っていたことであろう。くわばら、くわばら。
という恐怖も消え去らぬうちに、今度は隣町の神山町でバラバラにされた遺体の一部が発見された。発見場所がいつも通る道だけに、やだね〜、と思っていたら、数日前、突然、朝からヘリコプターが我が町内の上空をゴーゴーと何機も旋回始めた。そうである、バラバラ殺人の犯人が同じ町内のマンションの住人だったのである。
いまや日本国中知らぬものはいない、あの「セレブ妻バラバラ殺人事件」ないしは「鬼妻バラバラ殺人事件」のことである。ヨーロッパに行っている安倍ちゃんも、これを知ったらさぞやビックリすることだろう。
テレビ各局の中継車が井の頭通りをふさぎ、あたりは大渋滞。
きのうも遺体発見現場のあたりをたまたま自転車で通ったら、どこかの局のレポーターが台車を押しながらカメラに向かって何やら話しておりました。
容疑者はペットに犬を飼っていたそうだから、代々木公園でウォーキング中にすれ違っている可能性も大ですな。だからといって、自慢できるものでもないが、そういう人間としての特異点である殺人というものを犯すことのできた存在が、身近で暮らしていたということは、なにかしら不思議な気分にさせる。
同じ渋谷区内で起きた兄が妹をバラバラにした殺人事件といい、いやなものです(これは我が家からは少し離れたところでの事件でしたが)。
なにやら人ならぬものが、このあたりを徘徊して、人を狂わせているのではないかと、つい気味の悪い妄想をしてしまうのは職業柄か、性格ゆえか。
以前、我がマンションに不審者が侵入し、僕が勇気をボロ雑巾のごとく振り絞り、お巡りさんが来るまで不審者をたった一人で“捕捉”していたことがあったが(最初は刃物とか持っているのではないかと、ほんとうに怖かったですよ)、渋谷が近いせいか、変な人が多い町ではある。
こりゃ、安直なヒロイズムは命取りになりそうだ。これからは臆病者に徹しよう。
太田穣


1 Comments:
そうなんですよ〜。近頃この近所、怖いんです!
想像力(妄想力?)豊かな私は、現場付近を通るだけで、強い寒気と吐き気、めまいが……。
このあたりに立ちこめてる悪い"気”が、今日の晴天ですっかり蒸発してしまうことを祈ります……。
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