未知との遭遇 [Miyuki Shoji]
数学は決して嫌いではなかったのに、経済となるとまるで興味が湧かない。
いや、新聞でも、企業の方針の動向とか、新商品が出たとか、ガソリンの値段がどうとか、どこぞの社長が替わったとかいう経済欄なら「へ〜え」と思う日もあるから、一応は見ますよ。
だけど、金融情報欄ともなると「紙の無駄」とばかりに、新聞を読み始めた小学生の頃からン十年、自慢じゃないが飛ばさなかったことはない。
だいたい、全員とはいわないが、金融関連の人々って変でしょ。某社の株が暴落して補償しろと株主が騒いだとかいうニュースには心底呆れた。だって、得することもあれば損することもあるのが株取引じゃないの? 「損したから金出せ」なんて冗談じゃない。それがネーム・オブ・ザ・ゲームなのに。インサイダー情報で大金つくって逮捕されたっていう報道にも「また職権濫用か……」と嘆息したが、どちらにしろ、余分な欲をかいてしまえばそれなりの結果が待っている。
そんなわけで、いかに「紙と文字」を愛してやまない私でも、新聞でもっとも食指が動かないページ、金融情報欄に掲載されている(少なくとも某A紙では)経済コラムなど、偶然発見したほんの数日前まで、その存在すら知らなかった。題して「経済気象台」。いやさ、内容的には「面白〜い」ってことは、少なくとも経済に暗い私には10中1、2あるかないかだけど、なかなかいいのです。
何がいいかって、まず量がいい。11字詰め76行、起承転結がつけやすい800字程度。社説だともっともっとスペースがあるけれど、妥当かつ最大公約数的意見を、社を代表して(たぶんね)書かなきゃいけないから、「政府任せではなく、一人一人の良識が求められる」とか、そういう「当ったり前じゃん」的結論がほとんどで、チョー退屈。あるいは第一面の「◯声人語」っつーのは、「気づき」とか「指摘」とか、社会的要素が求められているらしいから「……そうかなぁ」とか「いかにも、だよ」とカンにさわることおびただしいし、▼でぶち切られた文面が美しくない。
その点、「経済気象台」は、毎日違う執筆者がそれぞれの話題で、ある程度の論旨を展開して説明してくれる、すわりがいい文章が多い。まるで知識のないトピックの日は、読んでもさっぱり頭に入らないことも多いんだけど、それでも見て安心な、精神衛生にいいコラムなのだ。
毎日読んでいる新聞にも未知との遭遇はあること、いつも通る道で見たことのない草花に初めて目をとめるがごとし。
「ぜーんぜん知らなかったな〜」ってのは、なかなか楽しいものです。
庄司みゆき


1 Comments:
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