lundi, mai 22, 2006

真説!?『聖凡人伝』(その1)[Hitoshi Oba]

(前回のあらすじ:松本零士先生の超大傑作『聖凡人伝』を再び世に出す〈小学館文庫、1996年、全6巻〉お手伝いができたということは、オーバ、生涯の誉れとしているのであった。
 ただ、各巻15万部というささやかな当初の目標が現在までのところ、まだ達成されていないのは、やっぱり残念ではある。
 あのクソつまらねえ『●●●●●』(ま、オーバにも嫌いなマンガなどはあるのである)の新刊一冊分の初版部数にトータルでも負けてるのは、ちょっと、いやもしかするとかなり口惜しいかもしれない。
 だもので、ドンドン『聖凡人伝』について宣伝するのだ。
 「ワシはカク。ゼヒともカク。ナニをカクのではなくして、『聖凡人伝』について気の済むまでカク!」という固い決意をしたのであった。けれども……)

 教育基本法がどうたらこうたら、やかましいことですね。大きなお世話である。
 大体、おおむねの人間はほっておけばいつの間にやら愛国者になっちゃうのである。なにもそんなことまでオカミに心配してもらうには及ばない。
 現にこのオーバを見よ! 先般のWBCで俄然「愛国の鬼」になっちゃった挙句、来るべきサッカー・ワールドカップに臨んでは「ニッポンがワールドカップで優勝するまでは、阿呆な駄文など断じて綴らぬ」という誓いをたてちゃったのだ。うまいこといけばもう一生恥をかかずにすむのである(あ、マジメなサッカー・ファンの皆様、すみません)。
 だけどさあ、太田支障、いや師匠が、この愛国心をまるで理解してくださらないのである。これだから嫌なんだよ、フランスかぶれ野郎なんてえものは。
 「じゃあせめて、示談、じゃない、ジダンの最後の勇姿を見届けるまでということでいかがでしょう?」という控えめなお願いにも、まるで耳をかしてくださらぬ。ナニ考えてんだ、このムッシューは!?
 あんたはシュンスケを起用しなかったトルシエか? ガタガタぬかすと、イスラームの教えに帰依しちゃうぞ、おいら←ミーハーなものだから、あっという間に「サッカー通」である。我ながらアサマシイことである。
 いいよ、わかった。了解いたしました。ウイ、ビヤンシュール! 書きますよ。書きゃいいんだろう(問題あるなぁ、この態度)。
 念のためにお断りしておくけれど、オーバ、マンガ全般について詳しいわけでは全然ない。とくに「萌え系」とかっていうの? そういう分野はまるっきしお手上げである。
 それに「松本作品の良い読者」ですらないかもしれない。実は先生の作品全部を読んでるわけではないのである。先生、ごめんなさい。
 けれどもこれまで縷々述べてきたように『聖凡人伝』という作品については、ちょっとはウルサイ。だから書き出すとすんごく長くなっちゃうかもよ〜。10回くらいは「連載」しちゃうかも分からない。知りませんよ。
 それもこれも拙者のささやかな愛国心の発露をお認めくださらぬ太田死傷、じゃない刺傷、あれ? 刺繍、違う! 師匠、あなたのせいですからね。

 『聖凡人伝』の雑誌初出は「週刊漫画ゴラク」1971年8月19日号〜73年11月15日号である。松本ファンならもうお気づきかもしれない。「少年マガジン」連載の『男おいどん』と、ほぼ同時期なのである。
 つまり、『聖凡人伝』は『男おいどん』の裏番組なんですね。で、裏番組が表番組より面白くなっちゃうというのもよくある話で……こんなこと書くと松本ファンのみならず先生御本人にも怒られちゃうかもしれないけれど。
 松本先生はマンガ家として決して出世が早かった方ではない。たとえば同年生まれ(お誕生日まで一緒)の石ノ森章太郎先生と比べてみれば、その辺は明らかでありましょう。
 それまで才能、実力などは充分に認められていたのだけれど、なぜか今ひとつメジャーになりきれなかった。
 そんな状況のなかでの、大マガジンからの依頼である。「これをしくじったら、もうプロのマンガ家にはなれない。この作品がダメだったら田舎に帰ろう」という悲壮な決意をもって『男おいどん』の連載を始められたというのは有名な話である。
 一応ある程度の期間の連載という約束だったそうだけれども、人気が出なければ平気で3回くらいで終了させられちゃうという世界。松本先生のプレッシャーも、いや増しに増したことと想像される。
 ところが連載直後から反響がひじょうによい。『おいどん』はまたたく間に「マガジン」の看板作品に。と同時に松本先生は初めて「全国区のマンガ家」という地位を獲得されたのである。結果論だけれども、これがなければ後年の『ヤマト』『999』などという作品は生まれなかったことであろう。
 で、『聖凡人伝』の連載開始は『おいどん』スタートの数か月後。あるいは「ゴラク」編集部が「ウチにも同じようなの描いてくれませんか」などとお願いしたのかもしれません。ただ、これを引き受けちゃうのが松本先生の「男気」というのか、凄いところである。
 なんか、「行き場を失った愛国心の炸裂」というつもりで書き始めたんだけれども、今一テンションが上がりませんね。まあいい。連載150回の最初だからして、今回はこれくらいで勘弁して差し上げるのである(誰が何を!?)。
 とにかく、『男おいどん』で初めて全国区になった作家の高揚、ドライブ感がもろに爆発しているのが『聖凡人伝』という作品なのであって、そこらの事情について詳しくは次回。
 これだけ書けばアウレリウス2000万読者のうち少なく見積もっても150万人はいると思われる松本ファンは、すでに書店に走ってくださることと思う。頼むぜ、フォント、じゃない、ホント!!

大場仁史

1 Comments:

Anonymous Anonyme said...

Very best site. Keep working. Will return in the near future.
»

2:48 PM, août 17, 2006  

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