子どもの関心は量子力学に!?[Minoru Ota]
仕事上の必要があって大昔の少年少女向けSF文学を古本屋で買い求め、2冊ばかりを読んだ。古本屋といっても、「日本の古本屋」というネット上のサービスを用いたのであって、神保町をうろついたわけではない。
この「日本の古本屋(http://www.kosho.or.jp/servlet/top)」はとても便利だ。書名や著者名を入れて検索すれば、加盟している全国の古本屋さんの在庫データベースから所望のものを瞬時にして見つけ出してくれる。いましがたも、ベリャーエフという作家の『狂った世界』という少年少女SF小説を探したところ、0.5秒で見つけ出してくれた。それはたった1冊が札幌の古書店にあった。もちろん、さっそく注文をした。古書店をめぐり、懐かしい邂逅や偶然の発見に驚く楽しみはないけれど、コレが欲しいんだと目的が明確であればこの「日本の古本屋」にまさるサービスはない。
本題に戻る。
件のSFは、いずれも昭和40年(1965年)に刊行された講談社『世界の科学名作』シリーズの2点。『少年火星探検隊』(イーラム作)と『宇宙探検220日』(マルチノフ作)である。
おそらく、この2冊を読んだ記憶を有するのは団塊の世代前後に限られるだろう。僕はどうかと言えば、たぶん、読んだのだ。いや、確実に読んでいるに違いない。だから、小学校の図書館で次から次へと借りてはコタツから首だけ出して読みふけったというぼんやりとした記憶を頼りに、「日本の古本屋」で検索したのだ。「少年」「火星」「探検」、そして著者はロシア的な名前……。で、この2冊を見つけたわけだが、実際入手して読んでみたが記憶は甦らなかった。
それにしても、正直ガッカリだった。いずれも、火星の生物たる怪獣が人間を襲って危機に陥れるが、あわやというところで窮地を脱するという常套的なストーリー展開。そして何よりも、科学的なリアリティーの欠如。これが僕が胸躍らせた物語どもか?
小さなとき科学者にあこがれていた僕は、天体望遠鏡も自作して、色収差の激しい安レンズのむこうに夜な夜な星々の幻を見てはため息をついていたのだ。その宇宙への「欲望」をかきたててくれたのが、こういった少年少女向けSF群だったのに、それをいま読めば、気の抜けたコーラか泡ばかりのビールか、「活劇」はあるが肝心の「宇宙」がないのだ。それなのに、どうしてあんなに宇宙への憧れをかき立てられたのだろう?
きっと、アポロ以前、アポロ以後ということが大きいのではないだろうか。
1965年と言えば、ガガーリンが人として初めて宇宙を跨いでから4年が経過している。ジェミニ計画のまっただ中で、人間は未だ地球の引力圏内にいた。「地球は青かった」が、宇宙から送られてくる地球の映像はまだ球体ではなく、球体の一辺でしかなく、全体像はまだ想像力のうちにだけあった。
初めて地球重力圏を脱して月に達したのは1968年のことだ。それがアポロ計画であり、月に着陸したのがアポロ11号で1969年7月20日である。この一連のアポロ計画によって、僕らは地球の全体像を知る。深淵の中に浮かぶ、あの青と白に輝く類い希なる美しさの星をである。
アポロ以前に書かれたSFである僕の読んだ2冊は、その地球の孤独を知らないのだ。宇宙の無慈悲というべきか、宇宙のもつ拒絶的な相についての意識が希薄なのだ。だから、無邪気な地上的活劇が安易に真空空間や火星上に接続されるのだ。
いや、非難しているわけじゃない。アポロ以前と以後とで、SF的想像力において不可逆的な変化が起こったのではないかと思うのだ。それが、いまこの2冊を読むことの違和感のもとではないかと思うのだ。
娘と一緒によくブックファーストの子ども本コーナーに行くが、いまはこういった少年少女向けSFのシリーズもなければ、もちろんコーナーもない。宇宙ものは、数冊、絵入り副読本もののようなものがあるか、ウェルズなどの古典があるだけである。
一般のSFコーナーでは、もちろん宇宙を舞台にしたものがいまだ大半であるが、かつてのウィリアム・ギブソン以来、ネットや人工知能、そして人間の意識そのものに大きくその舞台を広げてきている。それは、宇宙が極大とすれば、その反対に極小へと向かうものではないだろうか。極小──つまり量子力学が扱う世界のほうへ。
映画『マトリックス』はヴェーダンタ的世界の劇画的表出と僕は感じるのだけれど、SFというジャンルにおいて見出される人類の集合的意識の現今の在処が、量子力学にあるというのは、とってもとっても面白いことなのではないかと思うのだ。茂木健一郎がテレビのバラエティ番組に出ているということが、何よりの証左だ。それは物理学者たちがアインシュタインと量子力学を接続せんと冒険を続ける、人類の集合的挑戦の淡い影絵のように見えてきはしまいか。
とすれば、もしかしたら子どもたちは、量子力学的SF文学を望んでいるのか? う〜む、だとしたら、こいつはすこぶる面白い。
太田穣


4 Comments:
凄く困ってます☆ love-cac@docomo.ne.jp すぐに連絡ください
あなたの精神年齢を占ってみよう!当サイトは、みんなの「精神年齢度」をチェックする性格診断のサイトです。精神年齢度には、期待以上の意外な結果があるかも??興味がある方はぜひどうぞ
マダムと甘い時間を過ごしてみませんか?性欲を持て余しているセレブたちは出張ホストサービスで男性を探し、セックスを求めているのです。ホスト希望の方なら容姿や年齢は一切不問!ご近所の女性を探して、多額の報酬をゲットしよう
夏真っ盛り!女の子は開放的な気分で一人エッチしたくてウズウズしてるっ!!貴方は女の子のオナ○ーを見て気分を高めてあげてネ!!もちろん、お手伝いしてもオッケーだよ!!さぁ、今すぐ女の子にアクセスしよっ
Enregistrer un commentaire
<< Home