samedi, mars 10, 2007

無意識の意識 [Miyuki Tsuruzono]

 夢をよく見ます。
 特に、歯ぎしり撲滅作戦(1月のブログ参照のこと)以来、奇天烈な夢が多い。
 体の緊張が緩むと、脳も柔らかくなるのであろうか?

 ともあれ、昨日の夢はまるで奇天烈ではなく、うちのダンナが20歳くらいの着物の女とチューをしている場面である。
 ダンナは20歳くらいの女には、巨乳アンド美貌でもなければ、驚くほど関心を示さない。その女はいかにも普通っぽいタイプで、夢の中でさえ「こんな女と? 嘘っぽ〜い」と思ったくらいではあるが、冷や汗が出て目が覚めてしまった(お恥ずかしい)。
 で、起きるなり「あれダレ?」と詰問してしまった(ますますもってお恥ずかしい)。

 早朝だったので、寝ぼけ果てているダンナ。夢の中の状況を説明したら、呆れて口もきいてくれなかったが、「着物で、柄はこうで、髪型はこうで、大柄で背の高い20歳くらいの子」というと、やっと「その女なら、見たことある」と答えるではありませんか。
 な、何と、その前日、ダンナと私が二人で歩いているときにすれ違ったという。
 いつもなら服の柄など1000%覚えていないくせに、「歩道が狭かったから、すれ違ったとき『あれ着物。卒業式かな』と思ったから」と、彼にしては珍しく明確である。
 「みゆきも覚えてるだろ? ちょうど◯◯病院の前だよ。一緒に顔見たじゃん」とまで言う。
 私は、いくら記憶をたどっても何も出てこない。病院の前の歩道が狭かったのまでは覚えているが、着物の柄どころか、そこで誰かとすれ違ったことすら思い出せない。何ら意味のないことなので、さくっと抹消したのだと思う。

 また、つい先日。大手術から生還した人と話す機会があった。
 その中で、「これまでの人生が、走馬灯のように浮かぶって本当なんですよ。実はぼく、小学校のときクラスでいじめてた子がいたんだけど、突然彼の顔が出てきたんです。申し訳なかったなあと思いました」と聞いた。
 30年以上、まったく思い出しもしなかったのに、実は覚えていたんですね、という。

 脳の中には、「わかっている」「覚えている」と認識していることの数万倍、数億倍の記憶が貯蔵されているらしい。
 それは、知識として知ってはいたけれど、はからずも続けざまに証明(?)された結果となった。

 1秒の何分の1かだけ見かけた人が夢の登場人物となったり(しかもディテールそのまま! フォトグラフィック・メモリー!)、ふだん全く思い出さない人のことを、深いところで気にしていたり。
 何しろ、天才と呼ばれる人だって、脳のせいぜい10%足らずしか使っていないというお話である。
 私たちの場合、もしかしたら99%くらいの脳は、意味のない記憶の蓄積に浪費されているのだろうか?
 何だか、すごくもったいない気がする。

水流薗みゆき

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4 Comments:

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