チャーリーのチョコレート工場とデカダンス[Ota]

先週の庄司みゆきさんのブログに登場した『愛の嵐』。僕も大学時代に何度も観た大好きな映画だったので、ブログ読了後そのままamazonに直行、ワンクリックの誘惑に抗しきれず、注文してしまった。数日後、届いたパッケージには『無修正ノーカット完全版』の文字が躍る。いや、デザイン的には地味で踊ってないのだが、主観的に踊っていた、グルグルと。そう言えば、ボヤーとモヤがかかった場面がたくさんあったっけなあと思い出した。で、観たのかと問われれば、観てない。だって、観てる途中で娘が部屋に突然入ってきて「あ、パパ、イヤラシイの観てる!!」なんて思われても困るし、妻にもいちおう、「ポルノじゃないし」って説明しておかなくちゃいけないしで、結局、パッケージの封も切っていない。たぶん、今年の夏に娘が臨海学校に行ったときに観ることになるのかも。『愛の嵐』を観るために娘を庄司みゆきさん家に預けるわけにもいかないしなあ……(実は義姉である庄司みゆきさん家には、観劇などのときに娘をときどき預かってもらっているのだ)。
ということがあったので、ボーッと若い頃に観た映画などをつらつらと思い出し、深夜に泡盛飲みながら「amazonで売ってんのかなあ」などと調べてみたりしていた。
当時はもちろん家庭用ビデオなんて無いから、映画館で観るしかなかった。だから名画座にお目当ての作品が掛かると、万難を排して友だちと連れだって観に行ったものだ。今より100倍貧乏だったあのころのほうが、今より100倍映画を観ていたと思う。でも、その僕よりもっともっとたくさん映画を観ているヤツがけっこういて、知識量など、僕などはそいつらの足元にも及ばなかった。
あのとき、何度も観た映画を何本か限り上げてみる。カッコ内は監督だ。
『シベールの日曜日』(ブールギニョン)
『鬼火』(ルイ・マル)
『恐るべき子供たち』(ジャン・ピエール・メルヴィル)
『ベニスに死す』(ビスコンティ)
『地獄に堕ちた勇者ども』(ビスコンティ)
『欲望という名の電車』(エリア・カザン)
『蛇皮の服を着た男』(シドニー・ルメット)
『カビリアの夜』(フェリーニ)
『欲望』(ミケランジェロ・アントニオーニ)
ここらへんは必ず観た。というか、映画館で10回近くは見た。
共通点は……あまりないか。メチャクチャだなあ。
でも、テネシー・ウィリアムズが大好きなので、彼の原作となる映画はほぼ観た。中でも、『蛇皮の服を着た男』と『欲望という名の電車』が大好きだ。
ビスコンティが好きというのも、これは流行みたいなものだったかも。『愛の嵐』はこのビスコンティ流れで観に行ってはまったのだ。このころのダーク・ボガード、そしてシャーロット・ランプリングはビスコンティ一派の常連のように多くの作品に出演してましたね。
フェリーニも大好きだったが、これも皆がそうだった。中でもこの『カビリアの夜』はシンプルでしかもしっとりとしていてよかった。ジュリエッタ・マシーニってほんとうに素晴らしい女優です。ちなみに僕が大好きなボブ・フォッシーのミュージカル『スイート・チャリティ』はこの『カビリアの夜』のいわばリメイクだ。『カビリアの夜』でジュリエッタ・マシーニが演じていた役をシャーリー・マクレーンが演じていて、これも僕が大好きな映画なのだが、グウェン・バードン(フォッシーの奥さん)が演じた舞台を観たかったなあ。ちなみに彼女が『I,m a brass band』を歌い踊るエド・サリバン・ショーのDVDをオレは持ってるぜ!! フフフ。
それから共通点を探せば、えーと、……あ、パリか。
『シベールの日曜日』も『鬼火』も『恐るべき子供たち』も舞台がパリだった。『鬼火』に登場するカフェはたぶんカフェ・フロールではなかったかと思うし、『シベールの日曜日』の主要な舞台はブーローニュの森である。実はこの年末のパリ旅行ではこのブーローニュの森を散策し、家族に『シベールの日曜日』という映画があって、この公園で白い馬が走る幻想的なシーンがあるんだよと解説していたら、その通りに馬がカポッカポッと走ってきたのだった。白馬ではなかったけれど。おまけに馬糞がバフバフといたるところに落ちていた。
この『シベールの日曜日』は僕が高校生の頃から何度も何度も繰り返し上映されてきた映画であり、テレビでも何度か放送されたことがあるのでファンも大勢いるはずだが、上のリスト中、なんとこれだけがDVDにもビデオにもなっておらず、またその予定もどうもなさそうなのだ。なぜだ?
監督のブールギニョンという人については僕もよく知らず、これ以外の作品も上映された記憶がないので、これ1本で終わった人か? 少女役を演じたパトリシア・ゴッジという女優はその後、『かもめの城』という映画に出たきりのようだし……(この映画はテレビで観た)。
というわけで、何やらエセ評論家然としたブログとなってしまったが、何を言いたいのかと問われれば、昔はよく映画を観たなあというオヤジの感慨である。最近僕が観たのは娘にせがまれて連れて行った『チャーリーとチョコレート工場』で、その前は試写会で観た『夕日町三丁目』か。で、その前は『ハウルの動く城』で、その前は『呪怨』に『着信アリ2』だもんなあ。ほとんど、娘の趣味です。
こういうような、だんだん映画を観なくなる精神的無気力の状態を、もしかしたらデカダンスと言うのか?
いやだ、いやだ、おれは『愛の嵐』のようなヨーロッパのデカダンスにこそ似つかわしいのだ!! う、おぬし、笑ったな!?
太田穣


1 Comments:
無修正ノーカット完全版!!
いいなぁ、っていうか反応早すぎですよー太田さん。
しかし、こんなところにアウレリウスの欧州つながりがあったとは……。
パリ、映画とくれば、私の自慢は、「前、パリでたまたま『愛のコリーダ』やってたから観たもんねー。無修正版だったよ♪」というあたりかな。
あれも純愛ですよね。いい映画です。
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