非戦闘型、オールライト! [Miyuki Shoji]
サッカーが特に好きなわけでも詳しいわけでもないので非難を浴びるのは承知のうえだけど、ワールドカップがどうなっているかくらいはチェックするようにしている。
なのに日本チーム、よしっシュート行けるぞいうときにしないし、速攻してきてもゴール前でぱったり動きが止まってしまうし、守備人数が多いときでもスカスカ抜かれちゃうしで、見ていると精神衛生上、非常によろしくない。無意味に血圧が上がるだけである。
そりゃこういうものは勝たなきゃいけないのはわかっているけど、勝ち負け以外にもいい試合、悪い試合というのはある。「得点にはならなかったけど、動きがよくて、見ていて気持ちがよかった」あるいは「どんくさいけど、粘りに粘ったのがすばらしい」なんていうのがそれだ。日本チームの戦いぶりは「いい試合」とは程遠い、というしかない。
K-1なんかの格闘技しかり。いい試合であれば、見ていて血が騒ぐ。燃える。後味がいい。だけど、逃げ腰でいっこうに攻撃しない武蔵なんか、いつも「役立たず! 弱虫!」と罵倒したくなる。身体だけデカくても、タイプとして格闘技、向いていないのだ。
闘うなら、たとえば山本KIDとか魔裟斗みたいにきちんとトレーニングを積んでいる上で、ぶち切れてみせる闘争心、プラスして冷徹なセルフコントロールが必須のはず。世界の狩猟民族と違って、穀物を食んでまわりと穏便に暮らしてきた日本人の多くには、この戦闘的な部分が抜けているように思われてならない。
とまぁ、スポーツファンには絶対に聞かせられない以上のようなことを日頃、感じている私にとっては、ワールドカップに「ニッポン絶対に勝つ!」と雄叫びをあげるタレント(これは演出としても)や一般の人々の態度は不気味でしかない。
冷静に見てごらんよ。こんな内容じゃ勝つわけがないじゃん。歴史的・文化的(?)に攻撃に向いていない場合でも、技術や守備やまとまりのあるファインプレーでカバーできるはずとしても、チーム全体としての緻密さとか前向きな姿勢がそこに達していないじゃないか。
2試合めの後のインタビューで、「勝てる試合だった」と(わずかないらつきを感じさせながらも)静かに語っていた中田は大人っぽかった。その言葉通り、ポイントポイントをおさえていれば、勝ってもおかしくない試合だったのだ。だけど得点のチャンスは何度も失われて、結局、あまりいいところのないままに終わってしまった。
そうした落ち着きを持たず、選手が「懸命に走っていますッ」なんて中継するアナウンサー、どうにかしてくれ。プレー中は懸命に走るに決まってるでしょ。ちんたら走るわけないでしょ。絶叫型よりも、淡々と語るゴルフの世界トーナメントのコメンテーター(普通は、元一流選手だ)のコメントなんかのほうが、説得力があって百倍興奮するのは、私だけかもしれないが。
ファンにしろメディアにしろ、根拠もなく「もう勝つしかない!」と吠えたり、相手のミスを大げさに喜んだりしているのでは、極端な例えだけど、戦争と変わりないじゃん。惜しくもない大はずれシュートを「惜しいーッ」と評したり、大したことないプレーをベタほめしたりするのもやめてほしい。「大本営発表」のデッチ上げと同じじゃん。それから今回、相手のシュートを止めてきた川口がずいぶんと精神力・実力ともにレベルアップしたのは認めるにしても、彼だけに頼るわけにはいかないのは誰にもわかるはずだ。
「ちらっと見た程度でエラそうに言うんじゃねーぞ」という批判はその通り、黙って受けましょう。内容だって支離滅裂、自分でわかってます。だけど私は、いい試合が見たいだけなのだ。流れのある攻撃、柔軟な守備、ここぞというチャンスをつかむ感覚のよさ。サッカーをよく知らなくても、スポーツに詳しくなくても、美しいもの、活気のあるものは見ればそうわかる。非戦闘タイプならそれなりに、持っているいいものを生かした試合にできるはずだ。
庄司みゆき


1 Comments:
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