samedi, septembre 23, 2006

近所の安倍ちゃんが総裁になったもんだからさ[Minoru Ota]

 我がアパルトマンがあるのはいまだ木賃アパートも残るような庶民的な一角ではあるが、その南北は日本有数の高級住宅街である。通り1本隔てた南側は神山町に松濤。デビ婦人も麻生外務大臣も我がアパルトマンのベランダから望めるところにお住まいである。
 で、問題が北側だ。これも1ブロック向こう、我が仕事部屋から見えるアパートの向こう側のお家が、安倍ちゃんの家なわけだ。この安倍ちゃんが自民党総裁になったもんだから、我がアパルトマンの周辺はちぃとばかし異様なる雰囲気になっているわけであります。
 お巡りさんの数が半端じゃない。まあ、職務質問されやすいタイプの顔の持ち主である我が輩にとっては、朝、ゴミを出すときでさえジロジロ見られるのは覚悟ではありますが、なんか、うっとおしいのではある。いま日本でいちばん安全な町と言えなくもないが。
 で、安倍ちゃんだが、年齢はほぼ我が輩と同じだが、あの爺むささ、年寄り臭さ、頭の固さ、姿勢の悪さ、あばら骨が浮いている胸骨のあわれっぽさ。安倍ちゃんを総理に推したのは主婦を中心とする人々の人気っつーものであるわけだが、恐ろしいことよ、このようなセックスアピールもない男が「かっこいい、お上品、頼もしい」と、安倍ちゃんがのたまう低能な国家観の一片も知らぬままの人気投票で日本国の首相となるとは!!
 同い年だけど、ああいう考えで風貌の男が同じクラスにいたら、完全に浮いていただろうな。たぶん、ロックもフォークも聞いてないぞ、安倍ちゃんは!! たぶん、きっと僕のようなタイプは、「あいつはきっと変態なのだ」なんつっていじめたかもしれない。
 日本人は第二次世界大戦という厳粛で凄惨な悲劇によって、国家は決して人間に優先しない、国家は虚構であるということを身をもって知り、地球という次元において倫理的たらんとしたのではなかったか。それが、安倍ちゃんときたら、人間より国家が優先する、つまり人間より、あるいは世界より、国家が上位にあるという無意識な信念の持ち主であるらしい。これを変態といわずして何という。やはり政治家一族の家に生まれたがゆえに、国家という虚構に対して自己同一化してしまう、達成すべき対象として国家がある(ホリエモンが「世界一の企業になるんだあ!!」と夢見た同じ次元で)、いわばエゴの実現であり、国家幻想の投影としてのみ政治行為を行う危険な男だと、わが輩は思うのだ。
 ずいぶんとひどいことを言うなと思う人もいるだろう。でも、「美しい国へ」っていうのはなんなんだ? 日本は十分美しい。これ以上何が必要なのか? 愛国心? そんなもの、たかだか個人的な汚らしい数々の欲望のねじれた投影にしかすぎない。「きさまあ、愛国心が足らん!!」と言ってなぐる蹴るような、サディストとマゾヒストだけが喜ぶようなことは、お願いだから新宿のハズレで隠れてやってほしいぞ。

太田穣