mercredi, mars 08, 2006

既読日記[Izumi Shoji]

 出かける時は必ず文庫本をおともに連れていく。私の自慢はメイドイン・おフランスのストライプのブックカバー。とってもかわいくて、これ買ってから読書量が増えた。小川洋子もなんだっけ、読んだな。私は生理的にどうも....。オーバさん言うところの“密やかな悪意”にあてられて、読んでて気持ち悪くなってくる。川上弘美の短編は背筋に冷たいものをペタンと貼りつけられたような、不思議な感覚が好き。蛇みたいな人ですね。「センセイの鞄」も今度読んでみよう。

 そんなことはともかく。ヤバイくらいに春ですね! ポカポカ陽気で汗ばむほどだ。梅は満開。桜ももうすぐ? 大好きな沈丁花の香りも漂い始めてる。窓を開けて沈丁花の香りがすると、ワインの毒が抜けていく感じ。清らかな気持ちになる。春だから髪もショートにしたし、バラの香りの香水も新調した。ああ、あと桜色の口紅も買わなくちゃ。スカートもたまにははいてみたい!
 しかし、春になると頭のネジも緩むのか? この間から連続3日もおともの文庫本で大失敗。電車の中で読み始めてかなーりたってから、「これ、もう読んだ」って気づくのだからダメですね。出る前にパラパラめくって、「ウン、まだ読んでない」って確認してんのに。ワインのせいで脳細胞がとけてるんだろうか。夫もそうだ。同じ本を何冊も買っちゃうらしい。おかげで足穂の本をもらえたのはラッキーだけど。夫婦揃って頭のネジが緩みすぎ。気をつけよう。

 でもまあ、体的には、冬の寒さで締まってた体が春には緩み始めるのが、正しいリズムなのだとか。またまた大尊敬する宮川明子さんの受け売りだ。花粉症なんかのイヤな症状は、体がうまく緩みきらないために起こるらしい。この間ご紹介した手首ぷらぷら運動で肩や頭をゆるゆるにすると、少しはラクになるかも。やってみてください。
 もう一つ、頭と体をゆるめるにはお散歩がいい。ウォーキングとか、ウインドウショッピングとか、なんか目的のある移動ではなくひたすらブラブラ歩く。「そんなにアタシ、ヒマじゃない」とか思ってると体も頭も緩まないし、積み重なると鬱っぽくなるからご用心! 週に1度でいいから、目的なく歩いてみよう。
 今の時期は最高だ。もし近所に公園や土手でもあったら、目を皿のようにして歩いてくださいませね。ふきのとうだの、蕗だの、ノビル、蓬とか、食べられるものが見つかるかもしれません。あ、書いてたら蕗が食べたくなってきた。今度の日曜、探しに行こう。自然に生えてる蕗は細く柔らかく、繊細な香り。マルマンストアで売ってるようなぶっといやつはいけません。香りがないし、味も大味、別物です。
 そうそう。春は苦みのある野草なんかを食べるのが、やはりいいらしい。冬の間に体に溜め込んだ毒を排出してくれるのだって。東洋医学的には苦みは肝臓に効くんだっけな。ムクミやなんかも取れるし、ダイエットにも良さそうだ。
 渋谷に住んでると、野草摘みも蕗やタンポポくらいが限界だけど、もし近所で野草がバンバン取れて、しかも食べ方がわかんない、なんて方はぜひご連絡を! 私が全部引き受けますです。

庄司いずみ