lundi, mars 06, 2006

竹野内くんと是州さん[Minoru Ota]

 ただいまお仕事中のトヨタ博物館「若者に愛されたデートカー展」では、図録や展示ボード(180cm四方と巨大だ)のイラストを高村是州さんに描いていただく。その図録や展示ボードでのファッション・アドバイザー、また、会場で寸劇をおこなうのだが、その俳優さんの衣装のスタイリストは、青柳光則さんが担当だ。いずれも現在も大活躍中の売れっ子にして、まさに80年代のHotDogPressを支えた仲間たちだ。
 是州さんも青柳さんもほんとうにオシャレで、打ち合わせで二人の間にいると、自分が情けなくなる。だってオレ、いまや全身、GAPだもん。しかも、腹が出続けてるのでジーンズしかはけません。オシャレな洋服、けっこう、もってますよ。でも、着られないんです。正確に言えば、入らないんです。入ったとしても、シャツなら下から2〜3番目のボタンがはじけちゃいそうになるんです。Oh, Boy……。
 青柳さんはあいかわらず「大人になったクマのプーさん」みたいにかわいいですし、是州さんは若々しくハンサムでした。是州さん、「ぜんぜん年を取らない人コンテスト」でグランプリをあげたいぞ。おそらく40代前半だと思うが、どう見たって20代だ!! 25歳のアシスタントさんとふたり並んでも兄弟にしか見えないもんね。
 その昔、80年代、HotDogPress全盛のころ、実は是州さんはモデルとしても誌面にたびたび登場したのであった。そして、その是州さんと共演するがごとくいつも登場していた高校生が、なんと、いまをときめくあの竹野内豊なのである。是州さんと竹野内くんの縁はこれだけではありません。
 一ノ瀬ひとみさんというライターがおりました。彼女が渋谷を歩いていたら(池袋だったかなあ……)、とびきり美しい男のコがいました。彼女は声を掛けて電話番号を聞き出しました。ナンパではありません。自分の担当しているページのモデルに使いたいと思ったのでした。その高校生こそ、竹野内くんだったのです。これがきっかけで、素人モデルとして竹野内くんは、僕や一ノ瀬さんのページの常連となったのでありました。そして是州さんの奥さんこそ、竹野内くんを見いだしたこの一ノ瀬さんなのであります。
 昨夏、日テレのドラマ『瑠璃の島』の本を作ることになり、緒形拳さんのインタビューに、沖縄は八重山諸島、ロケ地である鳩間島を訪ねた。このドラマには竹野内くんも出演していたので、もしや、と思っていたが、案の定、会ってしまった、竹野内くんに。
 彼は僕の顔を見て一瞬驚いた表情をして、「うわ〜、こんなところでお会いするとは!!」と喜んでくれた。怪訝な表情を浮かべた緒形拳さんに竹野内くんは、「デビュー前にものすごくお世話になった人なんです」と僕を紹介。緒形さん、「?? 竹野内くん、きみ、役者になる前は何をしてたの?」。竹野内くん、「恥ずかしながら、モデルをしてました……」。
 竹野内くんの名誉のために言っておくと、彼は高校を卒業後、日本で一二を争う名門モデルクラブに所属し、ファッション誌を中心に大活躍をしたのである。
 その竹野内くんが僕に聞いたのだ、「一ノ瀬さんは、お元気ですか?」と。僕は答えた、「一ノ瀬さんは高村是州さんと結婚して、子どももいて、仕事もしているよ」と。すると、竹野内くんが言った、「ああ、高村是州さんですか、覚えてますよ〜!!」。
 よかったね、是州さん!!
 竹野内くんはとっても素直でマジメで純粋な男のコだった。おそらく、その彼の本質はいまも変わらないと思う。
 是州さんもまた「素直でマジメで純粋」であり、青柳さんも「素直でマジメで純粋」だ。是州さんの奥さんもまた「素直でマジメで純粋」だ。
 フリーランスの仕事は不安定で保証もなく、半失業者みたいなもんだ。それでも、僕がフリーランスでいるのは、自分の意志で「素直でマジメで純粋」な人とともに仕事ができるからなのだ。
 というわけで、いつか、是州さんと竹野内くんのモデルでファッショページをつくりたいと夢想する太田なのである。
 あ、で、是州さん、このブログを読んでいたら、あのう、mixiへの招待状、まだ届いてないんですけど。すんません、よろしくお願いします。

太田穣